トラブルド・ウォーター(英題)
DeUsynlige / Troubled Water  DeUsynlige
(2008) on IMDb


2008年/ノルウェー=スウェーデン=ドイツ/カラー/115分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
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(初出:)

 

 

エーリク・ポッペ監督の“オスロ3部作”最終章

 

 ノルウェーの異才エーリク・ポッペ監督、『バンチ・オブ・ファイブ(英題)/Schpaaa』(98)、『ハワイ、オスロ(原題)/Hawaii, Oslo』(04)につづく“オスロ三部作”の最終章になる作品です。

 物語は、仲間とともにさらった子供を誤って死なせてしまい、服役していたヤンが、刑務所を出るところから始まります。教会のパイプオルガン奏者として働くようになった彼は、聖職者の女性アナと次第に親しくなっていきます。彼女には息子がいて、彼もヤンになついていきます。

 そんなある日、ヤンがちょっと目を離した間に、アナの息子が姿を消してしまいます。そこでドラマは視点が切り替わり、かつてヤンが起こした事件で子供を奪われた母親アグネスのドラマが描かれていきます。

 レビューのテキストは準備中です。スサンネ・ビア作品が好きな人ははまると思います。ショーン・ペンの『クロッシング・ガード』(95)やダルデンヌ兄弟の『息子のまなざし』(02)を連想させたりもします。

 主演は、『コン・ティキ』(12)のポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン『未来を生きる君たちへ』(10)、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(12)、『愛さえあれば』(12)のトリーネ・ディアホルム『孤島の王』(10)、『ブラインド 視線のエロス』(14)のエレン・ドリト・ピーターセンですが、いずれの演技も素晴らしいです。あと、スサンネ・ビア作品や『コン・ティキ』の音楽も手がけていたヨハン・セーデルクヴィストが紡ぎ出す、フィリップ・グラスを思わせる繊細でミニマルなサウンドも抑制されたドラマを際立たせ、印象に残ります。


◆スタッフ◆
 
監督   エーリク・ポッペ
Erik Poppe
脚本 Harald Rosenlow-Eeg
撮影 Ingeborg Klyve, John Christian Rosenlund
編集 Einar Egeland
音楽 ヨハン・セーデルクヴィスト
Johan Soderqvist
 
◆キャスト◆
 
Jan Thomas   ポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン
Pal Sverre Valheim Hagen
Agnes トリーネ・ディアホルム
Trine Dyrholm
Anna エレン・ドリト・ピーターセン
Ellen Dorrit Petersen
Jens Fredrik Grondahl
Jon M Trond Espen Seim
Malin Angelou Garcia
Selma Henriette Garcia
Menighetforvalter Terje Stromdahl
Sissel Anneke von der Lippe
Tommy Frank Kjosas
Isak Jon Vagenes Eriksen
Fengselsprest Stig Henrik Hoff
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(配給:)
 

 

(upload:2015//)
 
 
《関連リンク》
エーリク・ポッペ 『おやすみなさいを言いたくて』 レビュー ■
ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ 『コン・ティキ』 レビュー ■
スサンネ・ビア 『愛さえあれば』 レビュー ■
マリウス・ホルスト 『孤島の王』 レビュー ■
エスキル・ヴォーグツ 『ブラインド 視線のエロス』 レビュー ■

 
 
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