1960年4月15日、デンマーク、コペンハーゲン生まれ。今日のデンマーク映画界を牽引する監督で、初長編作であるスウェーデン=デンマーク合作“Freud flyttar Hemifran...”(91)は世界的に絶賛され、またそれはデンマーク=スウェーデン合作“Det bli'r i familien”(94)も同様であった。次のスウェーデン映画“Pensionat Oskar”(95)は、モントリール世界映画祭でFIPRESCI賞(国際批評家連盟賞)を受ける。それに続くデンマークの長編映画『ワン・アンド・オンリー』(99・未/映画祭上映)は、国内だけで約100万人という驚異的な動員数をもたらし、その年に最も多く鑑賞されたデンマーク映画となった。この作品でビアの監督としての確固たる地位が築かれた。
スウェーデンに戻り、感傷的な涙を誘う“Livet ar en schlager”(00)を発表した後、サン・セバスティアン国際映画祭やサンダンス映画祭、トロント国際映画祭などに出品され、批評家に熱狂的に迎えられた“ドグマ95”運動の映画の『しあわせな孤独』(02)へと続く。『しあわせな孤独』も国内で大ヒットを記録し、デンマーク・アカデミー賞作品賞など数々の受賞を誇る。サンダンス映画祭で観客賞、サン・セバスティアン国際映画祭で最優秀主演女優賞&主演男優賞を受賞した『ある愛の風景』(04)は、国内での成功はもちろんのこと、アメリカ、イギリス、フランスなど世界各国でも公開された。同作は、『マイ・ブラザー』(09)として、ジム・シェリダン監督、トビー・マグワイア&ジェイク・ギレンホール主演でハリウッド・リメイクされたことでも話題となる。
次いで発表した『アフター・ウェディング』(06)で、初めて米アカデミー賞にノミネートされ、その名を世界に知らしめる。その後ハリウッドに招かれ、ハル・ベリーとベニチオ・デル・トロを主演に『悲しみが乾くまで』(08)を監督する。そして本作で、アカデミー賞&ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語映画賞をW受賞するという快挙に至った。次回作はコミカルな要素を持ち、イタリアを舞台にしたドラマ“All You Need Is Love”。主演はピアース・ブロスナン。