奇跡の2000マイル
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(2013) on IMDb


2013年/オーストラリア/カラー/112分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
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(初出:)

 

 

77年にロビン・デヴィッドソンが成し遂げた砂漠の旅の映画化
過酷な自然や過去と向き合い、乗り越えるイニシエーション

 

[ストーリ] 物語は20代のヒロイン、ロビン・デヴィッドソンが、オーストラリアのほぼ中央に位置するアリススプリングスに列車で到着するところから始まる。彼女はそこからラクダとともに砂漠を横断してインド洋に至る計画を実現させるため、バーやラクダの飼育場で働きだす。

 だが、ラクダの扱いには慣れたものの、資金がたまらない。そこで、アリススプリングスで知り合った「ナショナル・ジオグラフィック」誌のカメラマン、リック・スモーランに協力を求め、旅を記事にする条件を受け入れ、資金を調達する。準備が整ったロビンは、4頭のラクダと愛犬とともに旅立つ。

 1977年に実際に4頭のラクダと愛犬ととも砂漠を越えて1700マイルを踏破したロビン・デヴィッドソンの実話の映画化です。かなり昔のことになりますが、『ロビンが跳ねた ラクダと犬と砂漠 オーストラリア砂漠横断の旅』(冬樹社、1990)という上下刊の本が出ていて、それが原作なのではないかと思います。

 監督は、『ペインテッド・ヴェール ある貴婦人の過ち』(06)や『ストーン』(10)などの作品で知られ、マイケル・ウィンターボトム監督の『キラー・インサイド・ミー』(10)の脚本を手がけてもいたジョン・カラン。ヒロインのロビンを演じているのは、『アリス・イン・ワンダーランド』(10)、『イノセント・ガーデン』(12)、『嗤う分身』(13)のミア・ワシコウスカです。


◆スタッフ◆
 
監督   ジョン・カラン
John Curran
脚本 マリオン・ネルソン
Marion Nelson
原作 ロビン・デヴィッドソン
Robyn Davidson
撮影 マンディ・ウォーカー
Mandy Walker
編集 アレクサンドル・デ・フランチェスキ
Alexandre de Franceschi
音楽 ガース・スティーヴンソン
Garth Stevenson
 
◆キャスト◆
 
Robyn   ミア・ワシコウスカ
Mia Wasikowska
Rick Smolan アダム・ドライバー
Adam Driver
Peter ブレンダン・マクリーン
Brendan MacLean
Kurt ライナー・ボック
Rainer Bock
Jenny ジェシカ・トヴェイ
Jessica Tovey
Marg エマ・ブース
Emma Booth
-
(配給:)
 

 レビューのテキストは準備中です。とりあえず簡単に感想を。監督のカランがどこかのインタビューで、ニコラス・ローグ監督の『美しき冒険旅行』(71)のような映画を作りたかったと語っていたと思うのですが、確かにいろいろ接点を感じます。

 『美しき冒険旅行』には、砂漠を彷徨う姉(ジェニー・アガター)と弟が、野生のラクダを目にして、それに乗って旅する光景を幻視する場面がありました。その姉と弟は通過儀礼の試練の最中にあるアボリジニの少年に救われ、ともに旅をすることになりますが、ロビンも旅の途中でアボリジニの老人と行動をともにし、そのしきたりを学びます。また、『美しき冒険旅行』では、砂漠のオアシスにある湖水で、姉が全裸で泳ぐ場面が印象に残りますが、『奇跡の2000マイル』でロビンが砂漠のなかの水場で泳ぐ場面は、それを思い出させます。

 ガース・スティーヴンソンが手がけた音楽もいいです。オリジナルのスコア以外に、ロビンのなかに記憶が甦る場面では<スターダスト>が印象的に使われています。


(upload:2015/01/03、update:2015/01/04)
 
 
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