[Introduction] イギリス映画界で異彩を放つ女性監督、『オルランド』、『タンゴ・レッスン』、『耳に残るは君の歌声』、『愛をつづる詩』、『ジンジャーの朝〜さよなら、わたしが愛した世界』のサリー・ポッター最新作。弟が、若年性認知症と診断され、監督自身が介護で寄り添った経験をもとに書き下ろされた物語。 父と娘が心で旅をした24時間が、豪華キャストにより美しく壮大な旅路として結実した。
父レオ役は圧倒的な存在感で観るものを引き付けて離さないオスカー俳優ハビエル・バルデム(『DUNE/デューン 砂の惑星』『ノーカントリー』)、娘モリー役をイノセントな魅力を放ちながらも確かな演技力で数多の実力派監督と組んできた人気女優エル・ファニング( 「マレフィセント」シリーズ)が演じ、ついに父娘役で初共演を果たした。その他、ローラ・リニー(『ハドソン川の奇跡』『ラブ・アクチュアリー』)、サルマ・ハエック(『エターナルズ』『フリーダ』)ら実力派名優が脇を固める。(プレス参照)
[Story] ニューヨークに住むメキシコ人移民レオは作家であったが、認知症を患い、誰かの助けがなければ生活はままならず、娘モリーやヘルパーとの意思疎通も困難な状況になっていた。ある朝、モリーはレオを病院に連れ出そうとアパートを訪れる。モリーが隣にいながらもレオは、初恋の女性と出会った故郷メキシコや、作家生活に行き詰まり一人旅をしたギリシャを脳内で往来し、モリ―とは全く別々の景色をみるのだった―。
本作の劇場用パンフレットに、サリー・ポッター監督寄りの作品評を寄稿しています。劇場で本作をご覧になりましたら、ぜひパンフもお読みください。ロバート・フロストの詩「選ばなかった道」とか、文化や言語が異なる他者との関係とか、トランプのアメリカとか、ポッターのヒーローのひとり、ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』とか、彼女の作家性というか、世界観が集約されたような作品になっています。 |