スーン・ワン・モーニング
/ ブラック・トゥイグ・ピッカーズ
Soon One Morning / The Black Twig Pickers (2003)


 
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(初出:)

 

 

伝統にこだわっても、縛られることはない
プログレッシブ・ブルーグラスとしての魅力

 

 ヴァージニア州南西部をホームグラウンドにするストリング・バンド、ブラック・トゥイグ・ピッカーズのセカンド・アルバムです。その中核を担っているのは、マイク・ギャングロフ。彼が90年代前半に結成したペルト(Pelt)とこの新しいバンドの一見極端に見える方向性の違いについては、ファースト・アルバム『ノース・フォーク・フライヤー』レビューで簡単に触れました。

 このセカンド・アルバムも伝統への深いこだわりという点では前作と変わっていませんが、ペルト時代に培った感性がより前面に出てきています。ペルトの音楽はインド音楽にも強い影響を受けていましたが、本作では東洋的な響きやドローンが印象に残り、プログレッシブ・ブルーグラスとしての魅力を感じます。

 ちょっと極端な比較かもしれませんが、<Lost Indian>や<31 Weeks Blues>や<This War Is Killing Me>のようなインストゥルメンタルはそのまま延々と演奏し続けると、ベーシストのジョシュア・エイブラムスが北アフリカのゲンブリを駆使するユニット、ナチュラル・インフォメーションのような世界が切り拓かれるのではないかとも思えてきます。(ネイサン・ボウルズ『ナンセモンド/Nansemond』レビューに、関連のあることを書きました。)

 また、マイク・ギャングロフ(banjo, guitar, vocals)、イサク・ハウェル(guitar, harmonica)、ラルフ・ベリエ・Jr.(violin, vocals)という中心的なメンバーに加えて、マイク・ゲイハートがベースで3曲に参加しています。

 レビューのテキストは準備中です。


◆Jacket◆
 
◆Track listing◆

01.   John Brown´s Dream
02. Ironto Special
03. Floyd Allen
04. 31 Week Blues
05. Lightning Strike
06. Pallet On Your Floor
07. Roanoke Cindy
08. Waiting On My Rider Back From Town
09. Have You Been To Alabama?
10. Lost Indian
11. Oh Death
12. This War Is Killing Me

◆Personnel◆

The Black Twig Pickers: Mike Gangloff - banjo, guitar, vocals; Isak Howell - guitar, harmonica; Ralph Berrier - violin, vocals; Mike Gayheart - bass (1,3,5);

(VHF Records)
 

 

 

(upload:2016//)
 
 
《関連リンク》
The Black Twig Pickers | Thrill Jockey
The Black Twig Pickers | facebook
A Conversation With The Black Twig Pickers
| Uprooted Music Revue
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