ホーボー・ハンドシェイク
/ ブラック・トゥイグ・ピッカーズ
Hobo Handshake / The Black Twig Pickers (2008)


 
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(初出:)

 

 

ラルフ・ベリエ・Jr.が抜け、ネイサン・ボウルズが加入
パーカッシブなサウンドがダイナミズムを生み出す第4作

 

 ヴァージニア州南西部をホームグラウンドにするストリング・バンド、ブラック・トゥイグ・ピッカーズの4枚目のアルバムです。その中核を担っているのは、マイク・ギャングロフ。彼が90年代前半に結成したペルト(Pelt)とこの新しいバンドの一見極端に見える方向性の違いについては、ファースト・アルバム『ノース・フォーク・フライヤー』レビューで簡単に触れました。

 本作でも、アパラチアン・マウンテン・ミュージックを中心とした伝統を見直し、新たな光をあてるという方向に変化はありませんが、これまでの3作とはトリオを中心とするメンバーに違いがあります。これまでフィドルとヴォーカルを担当していたラルフ・ベリエ・Jr.が抜け、新たにネイサン・ボウルズが加入し、ウォッシュボード、パーカッション、ヴォーカルを担当しています。

 だからといって、伝統的な音楽に欠かせないフィドルがなくなるわけではありません。ギャングロフはもともとフィドルもこなすマルチインストゥルメンタリストで、このアルバムでは彼がフィドルのパートを担っています。新加入のボウルズは、ギャングロフが知人から紹介された若者で、もともとずっとピアノを習い、バンドでドラムを叩いたりしていましたが、ギャングロフと意気投合し、スパイラル・ジョイ・バンド、ペルトにつづいてこのブラック・トゥイグ・ピッカーズでもともに活動するようになりました。

 ボウルズが担当するウォッシュボードは一見、地味に見えますが、たとえばエレファント・リバイバルのボニー・ペインのプレイを見れば、使い方しだいでサウンドが豊かになることがわかります。ハレイ・フォー・ザ・リフ・ラフのフロントウーマン、アリンダ・リーは、ニューオーリンズにたどり着いて、ザ・デッド・マンズ・ストリート・オーケストラというグループに加わったときにはウォッシュボードを担当していました。彼女はその後、バンジョーの魅力に目覚めていきますが、そこのところはボウルズも似ています。ブラック・トゥイグ・ピッカーズに溶け込んだボウルズは、ギャングロフともうひとりのメンバー、イサク・ハウェルからバンジョーを習うように後押しされ、クローハンマー奏法を身につけていきます。

 本作では、マイク・ギャングロフ、イサク・ハウェル、ネイサン・ボウルズのほかに、チャーリー・パー、レーン・プレッカーらが参加しています。

 レビューのテキストは準備中です。


◆Jacket◆
 
◆Track listing◆

01.   Crossing The James
02. Rattletrap
03. Cherry River Line
04. Last Kind Word Blues
05. Glory In The Meeting House
06. At The Head Of Every Creek
07. Stay All Night
08. Boatsman
09. Paint Bank
10. Walking In The Parlor
11. Callahan
12. Train 45
13. Never Miss Your Mama
14. Twin Sisters
15. Sally Coming Through The Rye
16. Old-time Fire On The Mountain
17. Old Joe Clark
18. Old Joe Bone
19. Frosty Morning
20. P.E.A. Vine Blues
21. Crossing The James

◆Personnel◆

The Black Twig Pickers: Mike Gangloff - vocals, resonator guitar, banjo, fiddle; Isak Howell - vocals, guitar, harp; Nathan Bowles - vocals, washboard, percussion;
Charlie Parr, Lane Prekker ;

(VHF Records)
 

 

(upload:2016/03/30)
 
 
《関連リンク》
The Black Twig Pickers | Thrill Jockey
The Black Twig Pickers | facebook
A Conversation With The Black Twig Pickers
| Uprooted Music Revue
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