ニューオーリンズを拠点に活動するバンド、ハレイ・フォー。ザ・リフ・ラフ(Hurray for the Riff Raff)の中心メンバーであるアリンダ・リー・セガーラはプエルトリコ系で、ニューヨークのブロンクスで育った。反抗的なティーンで、自分がなにをやりたいのかわからずに鬱屈した日々を過ごしていたアリンダは、17歳で家を飛び出し、カリフォルニアを目指して放浪の旅に出た。彼女がニューオーリンズを訪れたのは、ニューヨークにいた頃からの友だちがそこに住んでいたからだ。
彼女はニューオーリンズで、音楽をやっている仲間たちに出会い、ザ・デッド・マンズ・ストリート・オーケストラというグループでウォッシュボードを担当することになり、演奏旅行に出る。それが、ハリケーン・カトリーナが襲来する前の冬のことだった。そして、カトリーナがニューオーリンズを襲ったときも、それを知らずにモントリオールで演奏をしていた。
しかし、11月にニューオーリンズに戻り、多くのものが失われた街を目の当たりにした彼女は変わる。これまでアウトサイダーで旅行者だった彼女は、そこに住む決意をする。そして、知り合いのミュージシャンからもらったバンジョーを習得し、自分で曲を作るようになる。そこから、ハレイ・フォー・ザ・リフ・ラフが誕生することになる。