ヴァージニア州南西部の山間に暮らすマルチインストゥルメンタリスト。中心的な楽器は、クローハンマー奏法によるバンジョーとウォッシュボードなどのパーカッション。伝統的なアパラチアン・マウンテン・ミュージックとミニマルなドローン・ミュージックの狭間で独自の世界を切り拓いている。
ヴァージニア州のサフォークで育つ。母親はクラシックのヴァイオリニストで、彼はずっとピアノを習いながら、ポップ・パンク・バンドでドラムを叩いたりしていた。音楽は、ソニック・ユースやザ・フォールからフリージャズやアコースティック・インストゥルメンタル・ミュージックまで幅広く聴いていた。
転機は、地元の実験的なトリオ、スパイラル・ジョイ・バンドのライブに行き、その後、スパイラル・ジョイ・バンド、ペルト、ブラック・トゥイグ・ピッカーズなどで多彩な活動をするマイク・ギャングロフに紹介されたこと。ギャングロフと親しくなったボウルズは、まずスパイラル・ジョイ・バンドに参加し、さらにブラック・トゥイグ・ピッカーズでフィドルを担当していたラルフ・ベリエ・Jr.に代わってメンバーとなり、ウォッシュボードを担当するようになる。バンドに溶け込んだ彼は、ギャングロフともうひとりのメンバー、イサク・ハウェルから、バンジョーを渡され、クローハンマー奏法を習得し、頭角を現すようになった。
『ア・ボトル、ア・バックアイ』(12)でソロ・デビュー。2014年にセカンド・アルバム『ナンセモンド/Nansemond』をリリース。スティーヴ・ガン、ジャック・ローズ、ヒス・ゴールデン・メッセンジャー、ブラック・ダート・オーク他、多くのミュージシャンとコラボレーションしている。
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■ Nathan Bowles: Chasing strings | Pitchfork
▼ 2014年にセカンド・アルバム『ナンセモンド/Nansemond』をリリース。