スポットライト 世紀のスクープ
Spotlight


2015年/アメリカ/カラー/128分/アメリカン・ヴィスタ/5.1ch
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(初出:「ニューズウィーク日本版」コラム「映画の境界線」2016年4月1日更新)

 

 

カトリック教会のスキャンダルを暴いた記者たちの実話
『大統領の陰謀』を彷彿させる重厚でスリリングなドラマ

 

[ストーリー] 2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。

 その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。デスクのウォルター“ロビー”ロビンソンをリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。

 やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった――。[プレスより]

 地元のカトリック教会が、神父による児童への性的虐待を組織ぐるみで隠蔽してきた事実を、ボストン・グローブ紙の記者たちが暴いた実話に基づく作品です。監督は、『ステーション・エージェント(原題)』(03)、『扉をたたく人』(07)、『WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々』(11)、『靴職人と魔法のミシン』(14)のトム・マッカーシー

 前作『靴職人と魔法のミシン』にはがっかりさせられましたが、その記憶を一瞬にして吹き飛ばしてしまうようなものすごい作品を作り上げました。チームワークと地道な取材によって事件の深層に分け入り、巨大な権力と対峙していくドラマは、『大統領の陰謀』を彷彿させます。

 「ニューズウィーク日本版」の筆者コラム「映画の境界線」で本作を取り上げました。記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

1000件以上黙殺されていた神父による児童への性的虐待|『スポットライト 世紀のスクープ』

▼ 実際に事件を追求した記者たちのインタビュー


◆スタッフ◆
 
監督/脚本   トム・マッカーシー
Tom McCarthy
脚本 ジョシュ・シンガー
Josh Singer
撮影撮影 マサノブ・タカヤナギ
Masanobu Takayanagi
編集 トム・マカードル
Tom McArdle
音楽 ハワード・ショア
Howard Shore
 
◆キャスト◆
 
マイク・レゼンデス   マーク・ラファロ
Mark Ruffalo
ウォルター“ロビー”ロビンソン マイケル・キートン
Michael Keaton
サーシャ・ファイファー レイチェル・マクアダムス
Rachel McAdams
マーティ・バロン リーヴ・シュレイバー
Liev Schreiber
ベン・ブラッドリー・Jr. ジョン・スラッテリー
John Slattery
ミッチェル・ガラベディアン スタンリー・トゥッチ
Stanley Tucci
マット・キャロル ブライアン・ダーシー・ジェームズ
Brian d’Arcy James
ジム・サリヴァン ジェイミー・シェリダン
Jamey Sheridan
エリック・マクリーシュ ビリー・クラダップ
Billy Crudup
フィル・サヴィアノ ニール・ハフ
Neal Huff
ピート・コンリー ポール・ギルフォイル
Paul Guilfoyle
-
(配給:ロングライド)
 

 

(upload:2016//)
 
 
《関連リンク》
フランソワ・オゾン 『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』 レビュー ■
トム・マッカーシー 『スティルウォーター』 レビュー ■
ハワード・ショア 『スポットライト 世紀のスクープ:OST』 レビュー ■
『靴職人と魔法のミシン』 レビュー ■
『WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々』 レビュー ■
『扉をたたく人』 レビュー ■
『ステーション・エージェント(原題)』 レビュー ■
信仰に名を借りた権力による支配の実態を暴く
――『マグダレンの祈り』と『アマロ神父の罪』をめぐって
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