『ステーション・エージェント(原題)』(03)、『扉をたたく人』(07)、『WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々』(11)、『靴職人と魔法のミシン』(14)などの作品で知られるトム・マッカーシー監督の新作『スポットライト 世紀のスクープ』(15)のオリジナル・サウンドトラックです。物語は、地元のカトリック教会が、神父による児童への性的虐待を組織ぐるみで隠蔽してきた事実を、ボストン・グローブ紙の記者たちが暴いた実話に基づいています。
[ストーリー] 2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。
その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。デスクのウォルター“ロビー”ロビンソンをリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。
やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった――。[プレスより]
サントラを手がけているのは、デヴィッド・クローネンバーグ作品でおなじみのハワード・ショアです。ハワード・ショアというと、オーケストラとか低音をきかせた弦楽器のアンサンブルがすぐに思い浮かびますが、このサントラで中心になるのはピアノ、あるいはキーボードです。
実際に使用されている楽器は、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、オルガン、ハープ、バウロン(アイリッシュ・ドラム)、フィドル、アコーディオン、ホルン、エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、マンドリン、エレクトリック・ベースなどです。ピアノ、キーボードを中心に、これらの楽器の組み合わせを変え、教会の見えない権力に支配された世界や、地道な取材活動をめぐって浮かび上がってくる主人公たちの多様な感情に呼応するサウンドが生み出されています。
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