[ストーリー] 1870年代アメリカ――。元兵士のジョンは敗戦で荒れたデンマークから新天地アメリカへと旅立つ。7年後、事業も軌道に乗り妻子を呼び寄せ再会を喜びあったのも束の間、非情にも目の前で妻子を殺されてしまう。
怒りのあまり犯人を見つけ出し射殺したジョンだったが、犯人はこの辺り一帯を支配する悪名高いデラルー大佐の弟だったことから彼の怒りを買う。更にその弟の情婦で声を失ったマデリンも巻き込み、それぞれの孤独で壮絶な復讐がはじまった――。[プレスより]
“ドグマ95”を代表する1本『キング・イズ・アライヴ』(00)、『フィア・ミー・ノット(英題)』(08)のクリスチャン・レヴリング監督の新作『悪党に粛清を』(14)は、南アフリカで撮影されたデンマーク製ウエスタンです。監督と共同で脚本を手がけているのは、スサンネ・ビア監督とのコラボレーションでよく知られ、レヴリングとは『キング・イズ・アライヴ』、『フィア・ミー・ノット(英題)』でも組んでいるアナス・トーマス・イェンセンです。
主人公ジョンを『アフター・ウェディング』(06)、『偽りなき者』(12)、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(12)のマッツ・ミケルセン、兄のピーターを『未来を生きる君たちへ』(10)、『ヒプノティスト‐催眠‐』(12)のミカエル・パーシュブラント、声を失った女マデリンを『ダーク・シャドウ』(12)、『300<スリーハンドレッド>〜帝国の進撃〜』(14)のエヴァ・グリーンが演じています。
蒸気機関車、駅馬車、荒野、砂漠、馬、埃まみれの町、善良な住人と冷酷な悪党。映画は、純正西部劇のクリシェに満ちているように見えますが、一方には異質な要素、あるいはキャラクターの立場を曖昧にするような要素がちりばめられてもいます。
ジョンとピーターの兄弟はデンマーク系の移民です。デンマークで兵士だった彼らは、1864年のシュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争でプロイセンに敗れ、新天地を求めてアメリカにやって来たという設定になっています。そこでドラマには、英語にデンマーク語が混じり、スペイン語も盛り込まれています。 |