在りし日の歌
地久天長 / So Long, My Son

激動の中国、
一人っ子政策に翻弄される夫婦の30年

[ストーリー] ヤオジュンとリーユン夫婦は、ひとり息子のシンと中国の地方都市で幸せに暮らしていた。同じ工場の同僚であるインミンとハイイエン夫婦には、偶然にも同じ年の同じ日に生まれた息子ハオがいた。両親たちは、お互いそれぞれの子の義理の父母としての契りを交わし、息子たちは兄弟のように育った。

　ある時、リーユンは第二子を妊娠するが “一人っ子政策”に反するため堕胎させられてしまう。さらに、リーユンは手術時の事故で二度と妊娠できない身体になった。

ある日、ハオは「川で遊ぼう」とシンを誘うが、泳げないシンは頑なに嫌がる。怒ったハオはシンを残して一人で仲間たちのもとへ行ってしまった。やがて日が沈みかけた頃、数人の大人たちが必死の様子で川にやってくる。「シンシン！早く病院へ！」大人たちのその姿を、体を震わせながら真っ青な表情で見ているハオ。

大切なひとり息子シンを事故で失い、乗り越えられない悲しみを抱えたふたりは、住み慣れた故郷を捨て、親しい友と別れ、見知らぬ町へと移り住む。やがて時は流れ――。

　『ルアンの歌』（98）、『北京の自転車』（00）、『我らが愛にゆれる時』（08）のワン・シャオシュアイ監督の2019年作品です。30年に及ぶ夫婦の絆を『薄氷の殺人』のワン･ジンチュンと、『黒衣の刺客』のヨン・メイが熱演。ベルリン国際映画祭では最優秀男優賞と女優賞のダブル受賞を果たしました。ワン監督は本作でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。

　ニューズウィーク日本版の筆者コラムで本作を取り上げています。その記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

● 激動の中国、一人っ子政策に翻弄される夫婦の30年『在りし日の歌』