レプレゼンシング / ジョシュア・エイブラムス
Represencing / Joshua Abrams (2012)


 
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(初出:)

 

 

ナチュラル・インフォメーション・ソサエティの第2弾
深化するミニマル/ドローン/トランス・ミュージック

 

 北アフリカの伝統音楽グナワで使われる弦楽器ゲンブリを中心に据えたショシュア・エイブラムスのユニット、ナチュラル・インフォメーション・ソサエティ。『レプレゼンシング/Represencing』は、2010年にリリースされた『ナチュラル・インフォメーション』につづく第2弾です。エイブラムスの簡単なプロフィールと、彼がどのようにゲンブリに関心を持ち、習得し、ユニットを作るに至ったかについては、前作のレビューでまとめてあります。

 ちなみに前作では触れませんでしたが、ナチュラル・インフォメーション・ソサエティは、ドン・チェリーのオーガニック・ミュージック・ソサエティを意識してつけたユニット名で、そのサウンドの影響も受けています。

 このアルバムは、新しい録音ではありますが、新しい曲ばかりが並んでいるわけではありません。2の<Represencing>や5の<Sound Talisman>とそのライブ版である9は、アルバムのなかで最も演奏時間が長い曲で、アルバムのかなりの部分を占めていますが、どちらも前作でも演奏されていた曲です。しかし、演奏は明らかに深化しています。

 前作のレビューで<Sound Talisman>はサムルノリを連想させると書きましたが、何度聞いても斬新で、深く引き込まれます。このアルバムでは、テナーサックスやバスクラリネット、フルートなどの管楽器も入っているところが、前作とはまた違った印象を与えます。

ぜひ<Sound Talisman>を聴いてみてください。

Joshua Abrams' Natural Information Society - Sound Talisman from Chris Strong Photography on Vimeo.


◆Jacket◆
 
◆Track listing◆

01.   San Anto
02. Represencing
03. Moon Hunger
04. Sound Talisman
05. Sungazer
06. The Ba
07. Enter Mountain Amulet
08. Cloud Walking
09. Sound Talisman (Live)

◆Personnel◆

Josh Abrams - guimbri, harmonium (3), sampler (4), organ, bells, harp, synthesizer; Ben Boye - autoharp (9); Chad Taylor - gong (1), drums (2); Mikel Avery - drums (4,5); Lisa Alvarado - gong (4,9), harmonium (7,8); Emmett Kelly - acoustic guitar (7), electric guitar (4,9); Jeff Parker - electric guitar (8); Jason Stein - bass clarinet (6); Tomka Reid - cello (5); Nicole Mitchell - flute (6); Michael Zerang - tambourine (8); David Boykin - tenor saxophone (1,3);

(Eremite Records)
 

 

 

(upload:2016//)
 
 
《関連リンク》
Joshua Abrams : Represencing | Eremite Records
The Panoramic Songscape: Joshua Abrams'
Natural Information Society | St. Louis Magazine
Joshua Abrams & Nathan Bowles: Memory,
texture, and tradition | BOMB magazine
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