ドキュメンタリーとアニメーションを融合させた斬新なスタイルで自らの戦争体験を描いた『戦場でワルツを』 (08)で注目されたアリ・フォルマン 監督の新作『コングレス未来学会議』 (13)のサウンドトラックです。原作はSF作家スタニスワフ・レムの『泰平ヨンの未来学会議』ですが、舞台を近未来のハリウッドに設定するなど、大胆なアレンジが施されています。
[ストーリー] 2014年、ハリウッドは、俳優の絶頂期の容姿をスキャンし、そのデジタルデータを自由に使い映画をつくるというビジネスを発明した。すでにキアヌ・リーブスらが契約書にサインしたという。40歳を過ぎたロビン・ライトにも声がかかった。
はじめは笑い飛ばした彼女だったが、旬を過ぎて女優の仕事が激減し、シングルマザーとして難病をかかえる息子を養わなければならない現実があった。悩んだすえ、巨額のギャラと引き換えに20年間の契約で自身のデータを売り渡した。スクリーンでは若いままのロビンのデータが、出演を拒んできたSF映画のヒロインを演じ続けた――。
そして20年後、文明はさらなる進歩を加速させていた。ロビンはある決意を胸に、驚愕のパラダイスと化したハリウッドに再び乗り込む。[プレスより]
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サウンドトラックを手がけているのは、『戦場でワルツを』でもフォルマンと組んだドイツ出身の作曲家マックス・リヒター です。リヒターは『戦場でワルツを』 以降、『サラの鍵』(10)、『パーフェクト・センス』(11)、『さよなら、アドルフ』 (12)、『ディス/コネクト』 (12)、『めぐり逢わせのお弁当』 (13)、『ラスト・デイズ・オン・マーズ』(13)と、コンスタントにサントラを手がけていますが、それらとフォルマン監督とのコラボレーションには違いがあるといえます。
かつてフォルマン監督がリヒターに語ったところによれば、彼は『戦場でワルツを』のシナリオを書いているときに、リヒターの出世作『The Blue Notebooks』を聴いていたということです。それはわかる気がします。『戦場でワルツを』では、82年のレバノン侵攻に兵士として従軍した記憶が失われていることに気づいたフォルマンが、かつての戦友を訪ね真相に迫っていきます。そして、リヒターの『The Blue Notebooks』も、記憶に関わり、記憶を刺激するような音楽なのです。
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◆Jacket◆
◆Track listing◆
01.
Beginning and Ending
02.
Andante con Moto (Trio in E-flat major, D.929)
03.
Winterreise
04.
On the Road to Abrahama, Pt. 1
05.
In Her Reflection
06.
On The Road to Abrahama, Pt. 2
07.
All Your Joys, All Your Pain
08.
In the Cosmic Lobby
09.
Out of the Dark
10.
The Rebel Attack
11.
Still Dreaming, Still Travelling
12.
Forever Young feat. Robin Wright
13.
Nocturne (Op.27/1 in C# minor)
14.
In the Garden of Comsic Speculation
15.
Badass Agent Robin
16.
She Finds the Child
17.
If It Be Your Will feat. Robin Wright
18.
Baby Escapo (Digital Bonus)
19.
Charly's Song (Digital Bonus)
◆Personnel◆
Music composed by Max Richter .
(Editions Milan Music)