博士と彼女のセオリー:OST / ヨハン・ヨハンソン
The Theory of Everything: Original Soundtrack / Johann Johannsson (2014)


 
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(初出:)

 

 

のちの天才物理学者スティーヴン・ホーキングと彼を支えたジェーンの実話
深く結びついたふたりの主人公の軌跡と響き合うミニマルな楽曲の魅力

 

 『ウィスコンシン・デス・トリップ(原題)』(99)、『キング 罪の王』(05)、『マン・オン・ワイヤー』(08)、『シャドー・ダンサー』(11)などの作品で知られるイギリス出身の異才ジェームズ・マーシュ監督の新作『博士と彼女のセオリー』(14)のオリジナル・サウンドトラックです。映画は、のちの天才物理学者スティーヴン・ホーキングと彼を支えたジェーンの軌跡を描く感動作です。

[ストーリー] ふたりの出会いは1963年。スティーヴンがケンブリッジ大学の大学院に在籍している時だった。彼は詩を学ぶジェーンの聡明さに、ジェーンは彼の夢見がちなグレーの瞳とユーモアのセンスに惹かれ、たちまち恋に落ちる。だが、直後にスティーヴンは運動ニューロン疾患と診断され、余命2年の宣告を受ける。それでも彼と共に生きると決めたジェーンは、力を合わせて病気と闘う道を選択する。

 そんなふたりの結婚生活は、残された時間を2年から5年に、5年から10年に、10年から20年に延ばすための絶え間ない努力の日々となる。ジェーンに励まされて研究に打ち込み、学者としてのステイタスを築いていくスティーヴン。心身両面で夫をサポートしながら、ふたりの生き甲斐となる子育てにも奮闘するジェーン。自分たちに与えられた時間がどれほど貴重なものなのかを知るふたりは、歳月を重ねるごとに増す試練に、強固な愛の力で立ち向かっていく。(『博士と彼女のセオリー』プレスより)

 サウンドトラックを手がけているのは、ポストクラシカルのフィールドを切り拓いたアイスランドの作曲家/マルチインストゥルメンタリスト、ヨハン・ヨハンソン。最近では、『プリズナーズ』(13)や『マカニック(原題)』(13)など、映像作家とのコラボレーションが目立っています。なおヨハンソンは、本作品で第72回ゴールデン・グローブ賞の作曲賞に輝きました。レビューのテキストは準備中です。このままいくとヨハンソンは、アレクサンドル・デスプラのよきライバルになるかもしれません。


◆Jacket◆
 
◆Track listing◆

01.   Cambridge, 1963
02. Rowing
03. Domestic Pressures
04. Chalkboard
05. Cavendish Lab
06. Collapsing Inwards
07. Game of Croquet
08. Origins of Time
09. Viva Voce
10. Wedding
11. Dreams that Stuff is Made of
12. Spacetime Singularity
13. Stairs
14. Normal Family
15. Forces of Attraction
16. Rowing
17. Camping
18. Coma
19. Spelling Board
20. Voice Box
21. Brief History Of Time
22. Daisy, Daisy
23. Model of the Universe
24. Theory of Everything
25. London, 1988
26. Epilogue
27. Whirling Ways of Stars that Pass

◆Personnel◆

Music composed by Johann Johannsson; Featured musicians; Adam Wiltzie - lap steel guitar; Zac Rae - piano, electric harpsichord; Geoff Foster - piano

(Back Lot Music)
 


(upload:2015//)
 
 
《関連リンク》
Film Music Magazine | Interview with Johann Johannsson
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