海にかかる霧
Haemoo（英題）

密航者を乗せ、海と霧に閉ざされた漁船のなかで
疑心暗鬼に陥り、正気を失っていく船員たち

[ストーリー] 不況にあえぐ漁村。６人の乗組員を乗せたチョンジン号は、今日も一発逆転の大漁を狙って出航するが叶わない。切羽詰った船長は、中国からの不法移民の密入国を手伝う、という闇ルートの仕事を引き受けてしまう。沖合で密航船と合流し、密航者たちを乗り換えさせて陸へ運ぶ。容易く思えた計画は、海上警察の調査、悪天候に阻まれ、思いもよらぬ事態に陥っていく――。

　深く重い霧が垂れ込める海上で、逃げ場を失い疑心暗鬼に陥り、やがて正気を失っていく船員たち。そんな中にあっても、守るべきものを得て逞しく成長していく青年。人間の欲望が剥き出しになった極限下で繰り広げられる壮絶なドラマは、やがて衝撃のクライマックスを迎え、一転、映画史上類稀なる、美しくも切ないラストシーンまで、観る者の心を掴んで離さない。[プレスより]

　『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』『母なる証明』『スノーピアサー』のポン・ジュノ製作・共同脚本。『殺人の追憶』の脚本を手がけたシム・ソンボの初監督作品。2001年に実際に起こった「テチャン号事件」を元にした舞台「海霧（ヘム）」の映画化です。チョルジュ船長を演じるのは、ナ・ホンジンの『チェイサー』『哀しき獣』のキム・ユンソク。レビューのテキストは準備中です。