国境の夜想曲
Notturno


2020年/イタリア=フランス=ドイツ/アラビア語・クルド語/カラー/104分/アメリカンビスタ
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(初出:「ニューズウィーク日本版」映画の境界線2022年2月10日更新)

 

 

イラク、シリア、レバノン、クルディスタンの国境地帯
そこで出会った人々を結びつけ、独自の空間を切り拓く

 

[Introduction] 2013年度ヴェネチア国際映画祭金獅子賞『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』、2016年度ベルリン国際映画祭金熊賞、2017年度アカデミー賞R長編ドキュメンタリー賞ノミネート『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』ジャンフランコ・ロージ監督最新作。第77回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、ユニセフ賞、ヤング・シネマ賞 最優秀イタリア映画賞、ソッリーゾ・ディベルソ賞 最優秀イタリア映画賞の3冠を獲得した。

本作は3年以上の歳月をかけて、イラク、シリア、レバノン、クルディスタンの国境地帯で撮影された。ロージ監督は通訳を伴わずにひとり旅をし、そこに残された者たちの声に耳を傾け続ける。(プレス参照)

[Story] 戦争で失った息子を想い哀悼歌を歌う母親たち、ISIS(イスラム国)の侵略により癒えることのない痛みを抱えた子供たち、政治風刺劇を演じる精神病院の患者たち、シリアに連れ去られた娘からの音声メッセージの声を何度も聞き続ける母親、夜も明けぬうちから家族の生活のため、草原に猟師をガイドする少年。4つの地域を映しながらも、時と場所を明示することなく、国境地帯に生きる様々な人々の営みがひとつの世界にまとめあげられていく。

 本作の劇場用パンフレットに、「誰もがその時を待っている」というタイトルの作品評を寄稿しています。劇場で本作をご覧になりましたらぜひパンフレットもお読みください。

 さらに、ニューズウィーク日本版の筆者コラム「映画の境界線」で、パンフレットとは異なる切り口で本作を取り上げています。その記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

ドキュメンタリーの名匠が描くイラク、シリア、クルディスタンの国境|『国境の夜想曲』


◆スタッフ◆
 
監督/製作/撮影/音響   ジャンフランコ・ロージ
Gianfranco Rosi
編集 ヤコポ・クワドリ
Jacopo Quadri
編集協力 ファブリツィオ・フェデリーコ
Fabrizio Federico
プロデューサー ドナテッラ・パレルモ、セルジュ・ラルー&カミーユ・レムル、オルワ・ニラビワ、エヴァ=マリア・ヴェールツ
Donatella Palermo, Serge Lalou and Camille Laemle, Orwa Nyrabia, Eva-Maria Weerts
 
◆キャスト◆
 
     
-
(配給:ビターズ・エンド)
 

 

 

(upload:2022/01/28, update : 2022/2/10)
 
 
《関連リンク》
ジャンフランコ・ロージ
『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』 レビュー
■
ジャンフランコ・ロージ 『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』 レビュー ■
ジャンフランコ・ロージ 『ビロウ・シー・レベル(原題)』 レビュー ■
エマヌエーレ・クリアレーゼ 『海と大陸』 レビュー ■
アンドレア・セグレ 『ある海辺の詩人―小さなヴェニスで―』 レビュー ■
ミケランジェロ・フランマルティーノ 『四つのいのち』 レビュー ■

 
 
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