90年代後半から『日蔭のふたり』『鳩の翼』『サハラに舞う羽根』『ドライヴ』などの脚本を手がけてきたホセイン・アミニの監督デビュー作『ギリシャに消えた嘘』のオリジナル・サウンドトラックです。原作はパトリシア・ハイスミスの『殺意の迷宮』。ヴィゴ・モーテンセン、キルステン・ダンスト、オスカー・アイザックが破滅に向かう男女を演じています。
[ストーリー] 1962年、ギリシャのアテネでツアーガイドをしている米国人青年ライダルが、パルテノン神殿で優雅なアメリカ人紳士チェスターとその妻コレットとめぐり合う。リッチで洗練された夫妻にたちまち魅了されたライダルは、彼らのガイドを務め、楽しい夕食のひとときを共にする。ところがその夜、チェスターがホテルの部屋に現れた探偵を殺害し、ライダルがその後始末を手助けしたことから3人の運命は激変。
実はチェスターは大勢の投資家を欺き、大金を奪った詐欺師だったのだ。船とバスを乗り継ぎ、偽造旅券が届くクレタ島へ向かう道中、ライダルはコレットと親密な関係となり、嫉妬心に駆られたチェスターは平常心を失っていく。やがて警察の捜査網にも追いつめられた3人は、後戻りできない破滅への道を突き進んでいく――。[プレスより]
サウンドトラックを手がけているのは、スペインで最も賞賛される作曲家のひとり、アルベルト・イグレシアス。これまでスペインの異才ペドロ・アルモドバル監督の大半の作品(『私の秘密の花』『ライブ・フレッシュ』『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『バッド・エデュケーション』『ボルベール<帰郷>』『抱擁のかけら』『私が、生きる肌』)のほか、『アナとオットー』、『ナイロビの蜂』、『君のためなら千回でも』、『裏切りのサーカス』、『エクソダス:神と王』などの音楽を手がけてきました。このサントラは、印象的なピアノの響きに弦と管が絡み合う<Main Titles>から、美しく繊細で、テンションが漂うオーケストレーションに引き込まれます。
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