ギリシャに消えた嘘:OST / アルベルト・イグレシアス
The Two Faces of January: Original Soundtrack / Alberto Iglesias (2014)


 
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(初出:)

 

 

アテネ、クレタ島からイスタンブールへ
破滅に向かう男女の運命を彩るサウンド

 

 90年代後半から『日蔭のふたり』『鳩の翼』『サハラに舞う羽根』『ドライヴ』などの脚本を手がけてきたホセイン・アミニの監督デビュー作『ギリシャに消えた嘘』のオリジナル・サウンドトラックです。原作はパトリシア・ハイスミスの『殺意の迷宮』。ヴィゴ・モーテンセンキルステン・ダンストオスカー・アイザックが破滅に向かう男女を演じています。

[ストーリー] 1962年、ギリシャのアテネでツアーガイドをしている米国人青年ライダルが、パルテノン神殿で優雅なアメリカ人紳士チェスターとその妻コレットとめぐり合う。リッチで洗練された夫妻にたちまち魅了されたライダルは、彼らのガイドを務め、楽しい夕食のひとときを共にする。ところがその夜、チェスターがホテルの部屋に現れた探偵を殺害し、ライダルがその後始末を手助けしたことから3人の運命は激変。

 実はチェスターは大勢の投資家を欺き、大金を奪った詐欺師だったのだ。船とバスを乗り継ぎ、偽造旅券が届くクレタ島へ向かう道中、ライダルはコレットと親密な関係となり、嫉妬心に駆られたチェスターは平常心を失っていく。やがて警察の捜査網にも追いつめられた3人は、後戻りできない破滅への道を突き進んでいく――。[プレスより]

 サウンドトラックを手がけているのは、スペインで最も賞賛される作曲家のひとり、アルベルト・イグレシアス。これまでスペインの異才ペドロ・アルモドバル監督の大半の作品(『私の秘密の花』『ライブ・フレッシュ』『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『バッド・エデュケーション』『ボルベール<帰郷>』『抱擁のかけら』『私が、生きる肌』)のほか、『アナとオットー』、『ナイロビの蜂』、『君のためなら千回でも』、『裏切りのサーカス』、『エクソダス:神と王』などの音楽を手がけてきました。このサントラは、印象的なピアノの響きに弦と管が絡み合う<Main Titles>から、美しく繊細で、テンションが漂うオーケストレーションに引き込まれます。


◆Jacket◆
 
◆Track listing◆

01.   Main Titles (3:57)
02. Beautiful Colette (1:36)
03. The Bus (3:13)
04. Mountains (1:15)
05. Rydal (1:52)
06. Mr. McFarland (5:46)
07. Leaving the Hotel (1:32)
08. Chester & Colette (1:13)
09. Jealousy (0:53)
10. Looking for a Wife (3:43)
11. To Crete (1:34)
12. Father & Son (3:39)
13. The Beach (2:06)
14. Knosos (1:35)
15. Newspapers (3:17)
16. Airport I (2:30)
17. Into the Room (0:48)
18. The Boat (3:44)
19. Airport II (1:51)
20. Instanbul (2:12)
21. Cafe Sultan (8:40)
22. The Two Faces of January (5:23)

◆Personnel◆

Music composed by Alberto Iglesias;

(Quartet Records)
 

 


(upload:2015/04/02)
 
 
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