1925年、ミズーリ州カンザス・シティ生まれ。50年代に故郷でPRフィルムやドキュメンタリー映画を作ることでそのキャリアをスタートさせた。57年、10代の不良少年を扱った『The Delinquents』で長編映画デビュー。同年製作のドキュメンタリー『ジェームズ・ディーン物語』がアルフレッド・ヒッチコックに気に入られたことが縁で、1話完結のテレビシリーズ「ヒッチコック劇場」の演出を手がける。それがきっかけで60年代は「ボナンザ」「コンバット」など人気番組の演出を次々に手がけ、売れっ子テレビ・ディレクターとして活躍する。
68年、皮肉たっぷりのスペース・ドラマ『宇宙大征服』で実質的なハリウッド・デビューを果たす。そして70年、朝鮮戦争時の移動野戦外科病院を舞台にした、破天荒なブラックコメディの大傑作『M★A★S★H』を監督。この作品がカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得し、世界中で大ヒットを記録。折りしもベトナム戦争下のこの時期、ユーモアによる反戦映画という側面が当時の若者から絶大な支持を受ける。アルトマンは一躍アメリカのメジャー監督の仲間入りを果たした。
(『クッキー・フォーチュン』プレス参照)