[Introduction] インド・マラヤ―ラム語映画界で活動するジヨー・ベービ監督の長編デビュー作。主人公は、小学6年生の仲のよい同級生アチュとアナガ。彼女たちの視点を通して、女性が直面する不平等の問題が描き出される。アチュをアナ・ファティマ、アナガをシャンブビ・スレシュが演じる。物語は、成長したアナガの登場からはじまり、少女時代へとさかのぼり、最後に成長したアチュとアナガの再会になる。成長したアチュを『神さまがくれた娘』(11)、『無職の大卒』(14)のアマラ・ポール、成長したアナガを『Shibu』(19)、『Jack & Daniel』(19)のアンジュ・クリアンが演じ、アナガの婚約者の役で『ライトニング・ムラリ』(21)のトヴィノ・トーマスがカメオ出演している。
アチュとアナガは、街のモールやビーチに行きたくて仕方がないが、女子は男子のように自由に出歩くことができない。アナガはシングルマザーの母親と暮らし、母親は仕事に追われている。アチュの家はアナガと比べると貧しく、彼女は飲んだくれの父親としつけに厳しい専業主婦の母親と暮らしている。
ある日ふたりの少女は、学校をさぼり、私服に着替え、バスに乗って街へ繰り出し、モールやビーチを楽しむ。だが、ビーチで声をかけてきた男にアナガがいたずらされそうになり、アチュが男を撃退する。やがて彼女たちの冒険が、学校や親にばれて、ふたりは引き裂かれ、別々の道を歩んでいくことになる。
そんなドラマで印象に残るのは、アチュが学校で、男子は自由に出歩けること、女子だけが結婚持参金(ダウリー)を求められること、男子は道でおしっこができることなど、男女の違いを調べたレポートを発表する場面。そういえば、ある場面の背景で、男が立小便をしているのが映り込んでいる。 |