[ストーリー] 70年代、スイス・レマン湖畔の小さな町ヴヴェイ。刑務所を出たエディは、友人オスマンに迎えられ、彼の家にやっかいになることに。真面目に働くオスマンだが、エディ同様、移民であるため生活は貧しい。しかも、娘はまだ小さく、入院中の妻の医療費がかさみ、苦境に立たされる。そんな時テレビから“喜劇王チャップリン死去”というニュースが。
エディは埋葬されたチャップリンの柩を盗み身代金で生活を立て直そうと、弱気のオスマンを巻き込んで決死の犯行へ。ところが、詰めの甘い計画は次々にボロを出すばかりか、ツキのなさにも見舞われて崩壊寸前。あきらめかけた時、追いつめられたオスマンが最後の賭けに出た。人生のどん底のふたりに救いの手は差し伸べられるのか――。[プレス参照]
『マチューの受難』(00)、『若き警官』(04)、『神々と男たち』(10)で知られるフランスの異才グザヴィエ・ボーヴォワ監督の新作です。エディを『ナルコ』(04)、『ココ・アヴァン・シャネル』(09)のブノワ・ポールヴールド、オスマンを『約束の旅路』(05)、『若き警官』のロシュディ・ゼム、エディをサーカスに導くローザを、『めざめ』(02)、『クリスマス・ストーリー』(08)のキアラ・マストロヤンニが演じています。
[以下より本作のレビューになります]
フランスの異才グザヴィエ・ボーヴォワの新作『チャップリンからの贈りもの』は、78年にスイスで実際に起きた“チャップリン遺体誘拐事件”に基づいている。
主人公のエディと友人のオスマンはともに貧しい移民だ。オスマンは真面目に働いているが、入院した妻の治療費がかさみ苦境に立たされる。刑務所を出てオスマンの家に厄介になっているエディは、チャップリン死去のニュースを見て遺体誘拐を思いつき、オスマンも巻き込んで計画を実行するが――。
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