シリア・モナムール
EAU ARGENTEE, Syrie autoportrait / Silvered Water, Syria Self-Portrait


2014年/シリア=フランス/アラビア語/カラー/96分/16 : 9, 4 : 3/5.1ch
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(初出:「ニューズウィーク日本版」コラム「映画の境界線」2016年5月17日更新)

 

 

シリアの惨状を伝える膨大な映像素材を
繋ぎ合わせた果てに、愛の物語が生まれる

 

[概要] 監督のオサーマ・モハンメドは2011年のカンヌ国際映画祭のパネルディスカッションで、政府軍に不当に拘束され政治犯にされた人々の釈放を訴えたために脅迫を受け、フランスに亡命を余儀なくされた。この映画は、亡命先のパリで、オサーマが疎外感と無力感に苛まれながら、ネット上に日々アップされる祖国シリアのおぞましい殺戮の映像を丹念に収集・記録する体裁をとっているが、SNSで知り合ったホムス在住のクルド人女性監督ウィアーム・シマヴ・ベデルカーンが登場した瞬間から、作品は大きく変容を遂げることになる。

 彼女は「もしあなたのカメラがここにあったら、何を撮る?」と問いかけ、オサーマは真摯にその答えを模索し始めることになる。その結果、作品はシリア内戦の酸鼻極まりない現実を伝えるドキュメントという次元をはるかに超えて、ふたりの映像作家の間で交わされる親密な映像による対話、個人的でありつつ普遍性を帯びた稀有な映像書簡としての相貌を現わすのである。[プレスより]

 「ニューズウィーク日本版」オフィシャルサイトの筆者コラム「映画の境界線」で本作品を取り上げました。その記事がお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

シリアの惨状を伝える膨大な映像素材を繋ぎ合わせた果てに、愛の物語が生まれる|『シリア・モナムール』


◆スタッフ◆
 
監督/脚本   オサーマ・モハンメド、ウィアーム・シマヴ・ベデルカーン
Ossama Mohammed, Wiam Simav Bedirxan
編集 アサド・メゾン
Asaad Maisoun
オリジナル音楽/ヴォーカル ノマ・オムラン
Noma Omran
-
(配給:テレザとサニー)
 

 

(upload:2016/05/19)
 
 
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