禁じられた歌声
Timbuktu / Le chagrin des oiseaux　

セザール賞で７冠に輝いたシサコ監督の話題作
イスラム原理主義者の支配下で生きる人々の悲劇

[ストーリー] マリ共和国の古都ティンブクトゥ。一帯は、外からやって来たイスラム原理主義者に占拠されている。住民たちは、音楽もサッカーも喫煙も禁じられている。少年たちは、見えないボールを追いかける。歌を歌ったり、家族ではない男性と部屋で過ごしていた女性は鞭打ちの刑に処せられ、姦通とみなされた男女は石で処刑される。

　遊牧民のキダンは、ティンブクトゥを取り巻く砂漠で、妻サティマ、娘トヤ、牛追いの少年イサンと暮らしていた。隣人たちは、原理主義者を恐れ、他の土地に移っていた。ある日、彼が飼う牛の一頭が、川に仕かけた漁師アマドゥの網を破り、怒った彼が牛を殺してしまう。それを知り、アマドゥに食ってかかったキダンは、もみ合ううちに誤って彼を射殺してしまう。

　セザール賞で最優秀作品賞、監督賞、脚本賞など７冠に輝いたアブデラマン・シサコ監督の新作です。ニューズウィーク日本版の筆者コラム「映画の境界線」で本作品を取り上げました。そのレビューをお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

● 音楽も、サッカーも禁じられ、歌を歌った女性は鞭で打たれたマリ共和国の恐怖政治｜『禁じられた歌声』