聖なる犯罪者
Corpus Christi


2019年/ポーランド=フランス/ポーランド語/カラー/115分/スコープサイズ/5.1ch
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(初出:「ニューズウィーク日本版」映画の境界線2021年1月14日更新)

 

 

ポーランドで過去を偽り
聖職者となった青年の実話に心揺さぶられる

 

[Introduction] 過去を偽り聖職者として生きる男。ポーランドで実際に起こった事件を基に描かれた衝撃の実話。監督は本作が3作目となるポーランド出身のヤン・コマサ。長編デビュー作「Suicide Room」(11)は第61回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品され、長編2作目となる『リベリオン ワルシャワ大攻防戦』(14)は本国ポーランドで180万人を動員する大ヒットとなった。最新作『ヘイター』(20/Netflixで配信中)ではトライベッカ映画祭のインターナショナル・ナラティブ部門で最優秀作品賞を受賞し、米HBOがTVシリーズ化することも決定した。主演は、弱冠28歳のバルトシュ・ビィエレニア。(プレス参照)

[Story] 少年院で出会った神父の影響で熱心なキリスト教徒となった20歳の青年ダニエルは、前科者は聖職者になれないと知りながらも、神父になることを夢見ている。仮釈放が決まり、ダニエルは少年院から遠く離れた田舎の製材所に就職することになった。製材所への道中、偶然立ち寄った教会で出会った少女マルタに「司祭だ」と冗談を言うが、新任の司祭と勘違いされそのまま司祭の代わりを任された。司祭らしからぬ言動や行動をするダニエルに村人たちは戸惑うが、若者たちとも交流し親しみやすい司祭として人々の信頼を得ていく。一年前、この村で7人もの命を奪った凄惨な事故があったことを知ったダニエルは、この事故が村人たちに与えた深い傷を知る。残された家族を癒してあげたいと模索するダニエルの元に、同じ少年院にいた男が現れ事態は思わぬ方向へと転がりだす…。

 ニューズウィーク日本版の筆者コラム「映画の境界線」で本作を取り上げています。その記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

ポーランドで過去を偽り聖職者となった青年の実話に心揺さぶられる |『聖なる犯罪者』

※ ヤン・コマサ監督はインタビューでアンドレイ・ズビャギンツェフのファンだと語っているので、関連リンクにズビャギンツェフ作品のレビューを並べてある。


◆スタッフ◆
 
監督   ヤン・コマサ
Jan Komasa
脚本 マテウシュ・パツェヴィチ
Mateusz Pacewicz
撮影 ピョートル・ソボチンスキ Jr
Piotr Sobocinski Jr.
編集 プシェミスワフ・フルシチェレフスキ
Przemyslaw Chruscielewski
音楽 ガルぺリン・ブラザーズ
Evgueni Galperine, Sacha Galperine
 
◆キャスト◆
 
ダニエル   バルトシュ・ビィエレニア
Bartosz Bielenia
マルタ エリーザ・リチェムブル
Eliza Rycembel
リディア アレクサンドラ・コニェチュナ
Aleksandra Konieczna
ピンチェル トマシュ・ジィェンテク
Tomasz Zietek
バルケビッチ レシェク・リホタ
Leszek Lichota
トマシュ ルカース・シムラット
Lukasz Simlat
-
(配給:ハーク)
 

 

《参照/引用文献》
CORPUS CHRISTI, interview by Stephen Porzio●
Europa-cinemas.org 18/09/2019
Playing with the meanings; Jan Komasa on Andrey Zvyagintsev, Corpus Christi, Bartosz Bielenia and Christopher Walken by Anne-Katrin Titze●
Eye For Film 30/10/2019
『チーズとうじ虫 16世紀の一粉挽屋の世界像』カルロ・ギンズブルグ●
杉山光信訳(みすず書房、1984年)

(upload:2021/10/18)
 
 
《関連リンク》
アンドレイ・ズビャギンツェフ 『裁かれるは善人のみ』 レビュー ■
アンドレイ・ズビャギンツェフ 『エレナの惑い』 レビュー ■
アンドレイ・ズビャギンツェフ 『ヴェラの祈り』 レビュー ■
アンドレイ・ズビャギンツェフ 『父、帰る』 レビュー ■
アンドレイ・ズビャギンツェフ・インタビュー 『父、帰る』 ■

 
 
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