[ストーリー] 入り江のある小さな町。自動車修理工場を営むコーリャは、若い妻リリア、そして亡妻との間に生まれた息子ロマと共に、住み慣れた家で暮らしている。1年後に選挙を控えた強欲な市長のヴァディムは、とある計画のため権力に物をいわせ、彼らの土地を買収しようと画策する。
自分の人生のすべてともいえる場所を失うことが耐えられないコーリャは、強硬策に抗うべく、友人の弁護士ディーマを頼ってモスクワから呼び寄せる。そして漸く市長の悪事の一端を掴み、明るみに出そうとするのだが――。[プレスより]
『父、帰る』『ヴェラの祈り』『エレナの惑い』のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督の第4作、カンヌ国際映画祭で脚本賞に輝いた『Leviafan(原題)』(14)が、『裁かれるは善人のみ』の邦題で、2015年10月31日(土)から公開(新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー)されることになりました。
ズビャギンツェフが、2004年にアメリカで自動車修理業を営むマーヴィン・ヒーメイヤーが起こした“キルドーザー事件”にインスパイアされ、さらに「ミヒャエル・コールハースの運命」、旧約聖書「ヨブ記」、トマス・ホッブスの「リヴァイアサン」などもヒントに、ロシアの辺境を舞台にして作り上げた作品です。
ニューズウィーク日本版の筆者コラム「映画の境界線」で本作品を取り上げました。そのテキストをお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。
● ロシアの苛烈な現実を描き、さらに神話の域へと掘り下げる映画|『裁かれるは善人のみ』
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