僕たちは希望という名の列車に乗った
Das schweigende Klassenzimmer/The Silent Revolution


2018年/ドイツ/カラー/112分/スコープサイズ/デジタル5.1ch
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(初出:「ニューズウィーク日本版」映画の境界線2019年5月16日更新)

 

 

ディートリッヒ・ガルスカのノンフィクションを原作に
ラース・クラウメが東ドイツの「過去の克服」を描き出す

 

[Story] 1956年、東ドイツの高校に通うテオとクルトは、列車に乗って訪れた西ベルリンの映画館でハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を目の当たりにする。クラスの中心的な存在であるふたりは、級友たちに呼びかけて授業中に2分間の黙祷を実行した。それは自由を求めるハンガリー市民に共感した彼らの純粋な哀悼だったが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは“社会主義国家への反逆”と見なされる行為だった。やがて調査に乗り出した当局から、一週間以内に首謀者を告げるよう宣告された生徒たちは、人生そのものに関わる重大な選択を迫られる。大切な仲間を密告してエリートへの階段を上がるのか、それとも信念を貫いて大学進学を諦め、労働者として生きる道を選ぶのか……。

[Introduction] 監督は、ナチスによる戦争犯罪の追及に執念を燃やした孤高の検事フリッツ・バウアーにスポットを当て、ドイツ映画賞6部門を制した『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(16)の気鋭ラース・クラウメ。原作者ディートリッヒ・ガルスカ自身の実体験を綴ったノンフィクションを、緻密なリサーチで迫真のサスペンスと繊細にして深みのある感動のドラマとして描き上げた。また、注目すべきは本作のために発掘された新人俳優たちのフレッシュな魅力。そして過去の戦争や悲劇的な事実を語ることができない親たちの愛と葛藤を体現するのは、『東ベルリンから来た女』のロナルト・ツェアフェルトら旧東ドイツ出身の実力派キャストたち。

 無意識のうちに政治的タブーを犯してしまった若者たちが、仲間との友情や恋を育みながら、あるときはまっすぐに主張をぶつけ合い、人間として正しきこととは何かをひたむきに模索していく姿は観る者の心を強く揺さぶる。過酷な現実にさらされた彼らの、人生のすべてを懸けた決断とは?希望を追い求めた若者たちの“小さな革命”を未来へと続く“列車”とともに描き上げた感動の実録青春映画![プレスより]

 ニューズウィーク日本版の筆者コラムで本作を取り上げています。その記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

東ドイツの「過去の克服」を描く『僕たちは希望という名の列車に乗った』

 


◆スタッフ◆
 
監督/脚本   ラース・クラウメ
Lars Kraume
原作 ディートリッヒ・ガルスカ
Dietrich Garstka
撮影 イェンス・ハラント
Jens Harant
編集 バーバラ・ギス
Barbara Gies
 
◆キャスト◆
 
テオ・レムケ   レオナルド・シャイヒャー
Leonard Scheicher
クルト・ヴェヒター トム・グラメンツ
Tom Gramenz
レナ レナ・クレンク
Lena Klenke
エリック・バビンスキー ヨナス・ダスラー
Jonas Dassler
パウル イザイア・ミカルスキ
Isaiah Michalski
ヘルマン・レムケ ロナルト・ツェアフェルト
Ronald Zehrfeld
ランゲ国民教育大臣 ブルクハルト・クラウスナー
Burghart Klaussner
-
(配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス)
 

 

 

(upload:2020/06/20)
 
 
《関連リンク》
ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ 『バルーン 奇蹟の脱出飛行』 レビュー ■
トーマス・ステューバー 『希望の灯り』 レビュー ■
ラース・クラウメ 『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』 レビュー ■
ジュリオ・リッチャレッリ 『顔のないヒトラーたち』 レビュー ■
『アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち』 レビュー ■
デヴィッド・ヴェンド 『帰ってきたヒトラー』 レビュー ■

 
 
 
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