[ストーリー] 舞台は1950年代後半のフランクフルト。ナチ戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーのもとに、南米から一通の手紙が届く。そこには逃亡中のナチス親衛隊中佐アドルフ・アイヒマンが、アルゼンチンに潜伏しているとの重大な情報が記されていた。
何としてもアイヒマンを拘束し、ドイツの法廷で裁きたいバウアーは、国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、その極秘情報をイスラエルのモサドに提供する。しかしドイツ国内に巣食うナチ残党の妨害や圧力にさらされたバウアーは、孤立無援の苦闘を強いられていくのだった――。[プレスより]
実話に基づくラース・クラウメ監督作品です。ドイツ映画賞で作品賞、監督賞、脚本賞など6冠に輝いています。主人公のフリッツ・バウアーは、戦後、経済復興を優先し、再ナチ化が進行する西ドイツにおいて、ナチという不法国家が残した問題と正面から向き合い、アウシュヴィッツ裁判によって収容所の実態を明らかにした検事/法学者です。いわゆる「過去の克服」において重要な位置を占める人物であり、ジュリオ・リッチャレッリ監督の『顔のないヒトラーたち』にも登場しています。
ニューズウィーク日本版の筆者コラム「映画の境界線」で本作を取り上げました。その記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。
● 再ナチ化が進行していたドイツの過去の克服の物語『アイヒマンを追え!』
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