アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち
The Eichmann Show


2015年/イギリス/カラー&モノクロ/96分/ヴィスタ
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(初出:「ニューズウィーク日本版」コラム「映画の境界線」4月14日更新)

 

 

ナチスの戦犯アイヒマンを裁く
「世紀の裁判」TV放映の裏側

 

[ストーリー] 1961年、イスラエルのエルサレムでは、歴史的な裁判が開かれようとしていた。被告は、アドルフ・アイヒマン。第二次世界大戦下のナチス親衛隊の将校であり、“ユダヤ人問題の最終的解決”、つまりナチスによるユダヤ人絶滅計画(ホロコースト)を推進した責任者である。15年による逃亡生活の果て、アルゼンチンで身柄を拘束されたアイヒマンは、イスラエルに移送されエルサレムの法廷で裁かれることになった。

 このテレビ放映権を獲得したのが、アメリカの若き敏腕プロデューサー、ミルトン・フルックマンである。「ナチスがユダヤ人になにをしたのか、世界に見せよう。そのためにTVを使おう」

 TVというメディアに関わる者として、フルックマンは強い使命感に駆られていた。彼が監督に指名したのは、才能があるにも関わらず、反共産主義に基づくマッカーシズムの煽りで職を失っていた米国人ドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツ。悪名高きナチスの戦争犯罪人の素顔を暴くためには、一流のスタッフが必要だった。

 政治の壁、技術的な問題、さらにはナチの残党による脅迫などさまざまな壁を乗り越え、撮影隊は裁判の初日を迎える。それから四ヶ月間、フルヴィッツらによって撮影された映像は、世界37カ国でTV放映された。アメリカの3大ネットワークでも放映され、イギリスのデイリーニュースは速報で伝えた。ドイツでは人口の80%がこの放映を観たといわれている。[プレスより]

 「ニューズウィーク日本版」の筆者コラム「映画の境界線」で、エイアル・シヴァン監督の『スペシャリスト 自覚なき殺戮者』やアリ・フォルマン監督の『戦場でワルツを』などにも触れつつ、本作品を取り上げています。そのテキストがお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

ナチスの戦犯アイヒマンを裁く「世紀の裁判」TV放映の裏側


◆スタッフ◆
 
監督   ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
Paul Andrew Williams
脚本 サイモン・ブロック
Simon Block
撮影 カルロス・カタラン
Carlos Catalan
編集 ジェームズ・テイラー
James Taylor
音楽 ローラ・ロッシ
Laura Rossi
 
◆キャスト◆
 
ミルトン・フルックマン   マーティン・フリーマン
Martin Freeman
レオ・フルヴィッツ アンソニー・ラパリア
Anthony LaPaglia
ミセス・ランドー レベッカ・フロント
Rebecca Front
エヴァ・フルックマン ゾラ・ビショップ
Zora Bishop
デイヴィッド・ランダー アンディ・ナイマン
Andy Nyman
ヤコブ・ジョニロウィッツ ニコラス・ウッドソン
Nicholas Woodeson
アラン・ローゼンター ベン・ロイド・ヒューズ
Ben Lloyd-Hughes
ロン・ハンツマン ベン・アディス
Ben Addis
ロイ・セドウェル ディラン・エドワーズ
Dylan Edwards
デイヴィッド・アラド ジャスティン・サリンジャー
Justin Sallinger
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(配給:ポニーキャニオン)
 

 

(upload:2016/04/14)
 
 
《関連リンク》
エイアル・シヴァン 『スペシャリスト 自覚なき殺戮者』 レビュー ■
マルガレーテ・フォン・トロッタ 『ハンナ・アーレント』 レビュー ■
アリ・フォルマン 『戦場でワルツを』 レビュー ■
ジュリオ・リッチャレッリ 『顔のないヒトラーたち』 レビュー ■

 
 
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