ハロック・ヒル(Hallock Hill)は、Tom Leckyのペンネームで、そこには彼が生まれたニューヨーク州のアップステイトの田園地帯へのオマージュが込められているという。 そんな彼の アルバム『The Union』は、ギターのループや即興を思わせるメロディなどを重ねて作られた美しいサウンドスケープだ。
ハロック・ヒルのブログを読むと、彼がリチャード・スケルトンのファンであることがわかる。その音作りも、ただ自然や場所を意識するだけではなく、風景にまつわる記憶を掘り下げ、隠れた歴史を音で表現しようとしているところが、確かにスケルトンに通じるものがある。
Hallock Hill - The Chair from Hallock Hill on Vimeo.
『The Union』のジャケットには、ニューヨーク州、バーモント州、カナダのケベック州にまたがる巨大な湖、シャンプレーン湖にたつ波の写真が使用されている。また、このアルバムに収められた<The Chair>のミュージック・ビデオには、シャンプレーン湖とアディロンダック山地のイメージが使用されている。
但し、音作りがスケルトンに通じるとはいっても、Tom Leckyは自然のなかに暮らし、そこで創作しているわけではない。彼はこの20年間、大都市ニューヨークとその周辺で暮らしてきた。そのためか、同じニューヨーク在住のジュリア・ケントが作った『Green and Gray』ほどではないが、そのサウンドに都市的な感覚がひそんでいるように感じるのは筆者だけではないだろう。
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◆Jacket◆ |
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◆Track listing◆ |
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01. |
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I began to lose myself within a wonder |
02. |
Sand in my eyes |
03. |
Ausable |
04. |
Grow |
05. |
Marked |
06. |
The Chair |
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07. |
The Miller |
08. |
Pencil spin |
09. |
On Sundays when I wake up |
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◆Personnel◆ |
Hallock Hill (Tom Lecky) - guitars, etc |
(Hundred Acre Recordings) |
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