ニュー・ヒストリー・ウォーフェア Vol.1
/ コリン・ステットソン
New History Warfare Vol.1 / Colin Stetson (2008)


 
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(初出:Into the Wild 2.0 | 大場正明ブログ、抜粋のうえ若干の加筆)

 

 

ソロイストとしての可能性を開花させた
“New History Warfare”三部作の第一弾

 

 コリン・ステットソン(Colin Stetson)というマルチリード奏者の名前は知らなくても、彼が生み出す音に触れている人は少なくないはずです。たとえば、トム・ウェイツの『Alice』や『Blood Money』、『Orphans』とか、Arcade Fireの『Neon Bible』や『The Suburbs』、TV On the Radioの『Return to Cookie Mountain』や『Dear Science』、Yeasayerの『Odd Blood』、そしてBon Iverのニューアルバム『Bon Iver, Bon Iver』(11)にも参加していました。

 そのステットソンがどんな音を出しているのか、とりあえず彼のサックスがフィーチャーされたArcade Fireのショート・フィルムの予告編を見てみましょう。ちなみに監督は『マルコヴィッチの穴』(99)や『かいじゅうたちのいるところ』(09)のスパイク・ジョーンズです。

 しかしステットソンが本領を発揮するのはやはりソロです。この『ニュー・ヒストリー・ウォーフェア Vol.1/New History Warfare Vol.1』(08)は、彼のソロイストとしての可能性を開花させた衝撃のアルバムです。

 インタビューでも語っていますが、たとえば彼は、とても大きくて重いバス・サックスと一体化し、超絶技巧を展開します。循環呼吸、キーでリズムを生み出す運指法、ヴォーカリゼーション、過剰なブロウや残響、楽器の特性と身体を駆使したパフォーマンスは、圧巻のひとりオーケストラです。音だけを聴くと、テープやループを使っているように錯覚しかねませんが、そうではありません。そのパフォーマンスには息を飲みます。


◆Jacket◆
 
◆Track listing◆

01.   And It Fought to Escape
02. Stand, Walk
03. Groundswell
04. Time Is Advancing with Fitful Irregularity
05. Drown the Rats and Giants
06. As a Bird or Branch
07. Ohp
08. Quincy Had a Glandular Problem
09. Nobu Take
10. Tiger Tiger Crane
11. Letter to Hst
12. Our Heartbreak Perfect

◆Personnel◆

Colin Stetson - clarinet, alto saxophone, baritone saxophone, bass saxophone

 
(Atavistic)
 



(upload:2015//)
 
 
《関連リンク》
コリン・ステットソン・アンド・サラ・ニューフェルド
『Never Were the Way She Was』 レビュー
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『New History Warfare Vol.2: Judges』 レビュー ■
『New History Warfare Vol.3: To See More Light』 レビュー ■

 
 
 
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