コリン・ステットソン(Colin Stetson)というマルチリード奏者の名前は知らなくても、彼が生み出す音に触れている人は少なくないはずです。たとえば、トム・ウェイツの『Alice』や『Blood Money』、『Orphans』とか、Arcade Fireの『Neon Bible』や『The Suburbs』、TV On the Radioの『Return to Cookie Mountain』や『Dear Science』、Yeasayerの『Odd Blood』、そしてBon Iverのニューアルバム『Bon Iver, Bon Iver』(11)にも参加していました。
そのステットソンがどんな音を出しているのか、とりあえず彼のサックスがフィーチャーされたArcade Fireのショート・フィルムの予告編を見てみましょう。ちなみに監督は『マルコヴィッチの穴』(99)や『かいじゅうたちのいるところ』(09)のスパイク・ジョーンズです。
しかしステットソンが本領を発揮するのはやはりソロです。この『ニュー・ヒストリー・ウォーフェア Vol.1/New History Warfare Vol.1』(08)は、彼のソロイストとしての可能性を開花させた衝撃のアルバムです。
インタビューでも語っていますが、たとえば彼は、とても大きくて重いバス・サックスと一体化し、超絶技巧を展開します。循環呼吸、キーでリズムを生み出す運指法、ヴォーカリゼーション、過剰なブロウや残響、楽器の特性と身体を駆使したパフォーマンスは、圧巻のひとりオーケストラです。音だけを聴くと、テープやループを使っているように錯覚しかねませんが、そうではありません。そのパフォーマンスには息を飲みます。
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◆Jacket◆ |
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◆Track listing◆ |
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01. |
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And It Fought to Escape |
02. |
Stand, Walk |
03. |
Groundswell |
04. |
Time Is Advancing with Fitful Irregularity |
05. |
Drown the Rats and Giants |
06. |
As a Bird or Branch |
07. |
Ohp |
08. |
Quincy Had a Glandular Problem |
09. |
Nobu Take |
10. |
Tiger Tiger Crane |
11. |
Letter to Hst |
12. |
Our Heartbreak Perfect |
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◆Personnel◆ |
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Colin Stetson - clarinet, alto saxophone, baritone saxophone, bass saxophone |
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(Atavistic) |
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