極北で / ジョージーナ・ハーディング The Solitude of Thomas Cave / Georgina Harding (2007)
2009年/小竹由美子訳/新潮社
(Into the Wild 1.0 | 大場正明ブログ、2009年6月2日更新)
極北の地における孤独なサバイバル
読者の想像力をかき立てる独特の構成
1955年イギリス生まれの女性作家ジョージーナ・ハーディングの経歴は、ちょっと変わっていて興味をそそられる。編集の仕事に従事したあと、80年代にアジア各地、ヨーロッパ大陸を旅してまわる。90年、チャウシェスク政権下のルーマニア紀行『In Another Europe』を刊行。93年、インド南東部で一歳の息子と暮らした体験を綴った『Tranquebar』を刊行。そして2007年に刊行された本書『極北で』が初めての小説になる。
ジョージーナ・ハーディング
1955年英国生まれ。ロンドンの出版界で働き、1980年に来日。翌年まで東京で編集の仕事に従事。以後アジア各地、ヨーロッパ大陸を旅してまわる。1990年、チャウシェスク政権下のルーマニア紀行『In Another Europe』を刊行。1993年、インド南東部トランクェーバーで一歳の息子と暮らした体験を綴った『Tranquebar: A Season in South India』を刊行。2007年刊行の『極北で』が初の小説作品。現在はエセックス州コールチェスター在住。