[概要] 実話に基づく『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、異様な速さで人生を上り詰め、ノンストップの快楽を探求して失脚したジョーダン・ベルフォートを追った物語だ。彼はニューヨークのブローカーで、浮かれたブローカーたちの一団と共に、投資家から何百万もの大金を騙しとって、巨万の富を築く。映画は、ウォールストリートにやって来たまっとうな若者が、株価を吊り上げる堕落者から、IPOに悪徳業者への道を辿るジョーダンの波乱の人生に迫る。
不正によって短期間に積み上げた大金を、ジョーダンはありとあらゆる媚薬に際限なく注ぎ込む。女、鎮静剤、ドラッグ、車、スーパーモデルの妻――野心と終わりなき物欲の伝説的な人生だ。しかし、ジョーダンの会社ストラットン・オークモントが快楽を満喫し、その高みに舞い上がっているまさにその時、SEC(証券取引委員会)とFBIは、ジョーダンの行き過ぎた王国という標的に、照準を合わせているのだった。[プレスより]
マーティン・スコセッシ監督の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を、実話に基づく物語と表現することには若干の問題がある。たとえば、ジョーダン・ベルフォートを題材にしたノンフィクションが原作ということであれば、実話に基づくともいえる。
だが、ベルフォート自身がその体験を綴った原作は、必ずしも事実に基づいているとはいいがたい。むしろ、彼の目にはそう見えていた世界、あるいは彼自身が語りたい物語と考えるべきだろう。だからこの映画のなかでも、成功に酔いしれるベルフォートと社員たちの世界が、フェリーニのようなシュールな祝祭の空間へと変貌を遂げるのだろう。
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