シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人
Two Raging Grannies


2013年/ノルウェー・デンマーク・イタリア/カラー/82分/スコープサイズ/DCP
line
(初出:「ニューズウィーク日本版」コラム「映画の境界線」2015年9月4日更新)

 

 

二人のおばあちゃんが
経済の専門家を訪ね歩いて知識を吸収し
アメリカ経済に切り込んだ

 

[概要] ノルウェーを拠点に活動するホバルト・ブストネスが監督した『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』は、92歳のシャーリーと86歳のヒンダが自分たちだけの力で「経済成長」についての答えを探す姿を描いたドキュメンタリー作品。

 シャーリーとヒンダは大金持ちでも、ビジネスマンでもない、ただのおばあちゃん。当初は「買い物に行くくらいしか思いつかない」といっていた2人が、好奇心の赴くまま質問を重ねるたびに、どんどん知識を吸収し成長していく。大型ハリケーンのように周囲をとりこみ、騒動を巻き起こして、好奇心の赴くまま「わからない」ことが知りたいという欲求を満たしていくやんちゃな姿を映す一方で、カメラは世界のどこの新聞にも書かれているありふれた話題でさえ、どんなに私たちは深く考えることなく、知っているつもりで見過ごしていることを気づかせてくれる。[プレスより引用]

 「ニューズウィーク日本版」で筆者が担当するコラム「映画の境界線」で本作を取り上げました。記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

二人のおばあちゃんが、経済の専門家を訪ね歩いて知識を吸収し、アメリカ経済に切り込んだ|『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』


◆スタッフ◆
 
監督   ホバルト・ブストネス
Havard Bustnes
撮影監督 Viggo Knudsen
編集 Anders Teigen
 
◆キャスト◆
 
    シャーリー・モリソン
Shirley Morrison
  ヒンダ・キプニス
Hinda Kipnis
  アルバート・バーレット
  ジョン・スターバ
  ジョシュア・ファーレイ
-
(配給:S・D・P)
 

 

《参照/引用文献》
『成長なき繁栄 地球生態系内での持続的繁栄のために』ティム・ジャクソン●
田沢恭子訳(一灯舎、2012年)
『強欲の帝国――ウォール街に乗っ取られたアメリカ』チャールズ・ファーガソン●
藤井清美訳(早川書房、2014年)
『<脱成長>は、世界を変えられるか?――贈与・幸福・自律の新たな社会へ』
セルジュ・ラトゥーシュ●

中野佳裕訳(作品社、2013年)

(upload:2015//)
 
 
《関連リンク》
ジェイコブ・コーンブルース 『みんなのための資本論』 レビュー ■
ダニ・ロドリック 『グローバリゼーション・パラドクス』 レビュー ■
ラミン・バーラニ 『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』 レビュー ■
J・C・チャンダー 『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』 レビュー ■
サッチャリズムとイギリス映画――社会の急激な変化と映画の強度の関係 ■

 
 
amazon.comへ●
 
ご意見はこちらへ master@crisscross.jp