ナイチンゲール
The Nightingale


2018年/オーストラリア=カナダ=アメリカ/英語・ゲール語・パラワカニ語/カラー/136分/1.37:1
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(初出:「ニューズウィーク日本版」映画の境界線2020年3月19日更新)

 

 

植民地時代のオーストラリアの
復讐劇、性差別、アボリジニ迫害

 

[Story] 19世紀オーストラリアのタスマニア地方けちな盗みを働き流刑囚となったアイルランド人のクレアはその美しい容姿と歌声から一帯を支配する英国軍将校ホーキンスに囲われていたクレアの夫エイデンは彼女が刑期を終えた後も釈放されることなく拘束されていることについて不満を持ちホーキンスに交渉を試みるしかし逆上したホーキンスはクレアを仲間達とレイプした挙句彼女の目の前でエイデンと子供を殺害してしまう尊厳を踏みにじられ愛する者達を奪われたクレアは復讐を決意するが野心と出世を目論むホーキンスはローンセストンに駐屯するベクスリー大佐に昇進を直訴するために旅立った後だったクレアは先住民アボリジニの黒人男性ビリーに道案内を依頼し将校らを追跡する旅に出る危険な任務を嫌い最初は彼女に反発しながらも謝礼金のために嫌々同行していたビリーだったが彼女の本当の目的を知ると自分も白人達から家族や仲間を殺されて奴隷となった過去を打ち明ける共通の敵を持つ2人の間には強い絆が生まれてゆく――

[Introduction] 第75回ヴェネツィア国際映画祭においてコンペティション部門唯一の女性監督作品として注目されながらもそのあまりにも過激で衝撃的な内容が物議を醸したナイチンゲール英国植民地時代のオーストラリアを舞台に夫と子供の命を残虐な将校らに奪われた女囚クレアの復讐の旅を描く主人公クレアを演じるのは人気ドラマゲームオブスローンズのリアナスターク役でお馴染みのアイスリングフランシオシオペラ歌手でもある彼女が劇中で歌うアイルランド民謡は観る者の胸に美しく切なく響き渡るまたクレアからすべてを奪う残忍な将校役をあと1センチの恋のサムクラフリンが熱演

処女作ババドック 暗闇の魔物が高い評価を浴びた監督のジェニファーケントは本作をただのリベンジスリラーの枠に留まらせることなく性差別や身分差別そして先住民アボリジニの迫害と虐殺の歴史を赤裸々に抉り出すサムペキンパー監督作を彷彿とさせるリアリズムとバイオレンスで描かれる奪われし者達の怒りの物語は各国の映画祭で絶賛されケントはハリウッドで最も注目される監督の1人となった[プレスより]

 ニューズウィーク日本版の筆者コラムで本作を取り上げています。その記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

植民地時代のオーストラリアの復讐劇、性差別、アボリジニ迫害|『ナイチンゲール』


◆スタッフ◆
 
監督/脚本   ジェニファー・ケント
Jennifer Kent
撮影 ラデック・ラドチェック
Radek Ladczuk
音楽 ジェド・カーゼル
Jed Kurzel
 
◆キャスト◆
 
クレア   アイスリング・フランシオシ
Aisling Franciosi
ホーキンス サム・クラフリン
Sam Claflin
ビリー バイカリ・ガナンバル
Baykali Ganambarr
ルース デイモン・ヘリマン
Damon Herriman
エイデン マイケル・シェズビー
Michael Sheasby
-
(配給:トランスフォーマー)
 

 

(upload:2020/04/04)
 
 
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