ミーシャ　ホロコーストと白い狼
Survive avec les loups　

少女は現実と幻想の狭間でサバイバルする

　ミーシャ・デフォンスカのベストセラー『少女ミーシャの旅』を映画化したこの作品では、ホロコーストを背景に、８歳の少女の想像を絶する過酷な旅が描き出される。

　１９４２年、ユダヤ人狩りが激化するナチス占領下のブリュッセル。ユダヤ人の一斉検挙で両親を連行されたミーシャは、たった一人でコンパスを頼りに両親がいるという東を目指す。飢えと寒さと迫害。次々に襲い掛かる苦難に力尽きかけた彼女を救ったのは、森で出会った白い狼だった。

　原作者のデフォンスカは昨年、この物語が実は自伝ではなく、フィクションであることを明らかにした。壮絶で感動的な実話を期待する観客は、落胆するかもしれない。