1954年11月8日長崎市生まれ。1960年、5歳のときに海洋学者の父親の仕事の関係でイギリスに渡る。以降、日本とイギリスの2つの文化を背景にして育ち、ケント大学で英文学を、イースト・アングリア大学大学院で創作を学ぶ。はじめはロック・ミュージシャンを目指すが、やがてソーシャル・ワーカーとして働きながら、1981年から執筆活動を開始する。長編デビュー作『遠い山なみの光』(改題『女たちの遠い夏』)は王立文学協会賞を受賞し、9カ国語に翻訳された。つづき、1986年に発表した『浮世の画家』でウイットブレッド賞を受賞。長編第3作の『日の名残り』(1989)で、イギリス最高の文学賞であるブッカー賞を受賞した。国境を越えたその普遍の文学性で、イギリスのみならず世界中からもっとも注目される作家である。