ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ
The United States vs. Billie Holiday


2021年/アメリカ/英語/カラー/131分/スコープサイズ/5.1chデジタル
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(初出:『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』劇場用パンフレット)

 

 

リンチに抗議する「奇妙な果実」をめぐる
ビリー・ホリデイとアメリカ合衆国の対決

 

[Introduction] 『プレシャス』『ペーパーボーイ 真夏の引力』『大統領の執事の涙』リー・ダニエルズ監督最新作。原作は、イギリス・スイス系の作家/ジャーナリストのベストセラー『麻薬と人間 100年の物語――薬物への認識を変える衝撃の真実』の第1章「アメリカvs.ビリー・ホリデイ」。1959年に44歳の若さで亡くなったジャズシンガー、ビリー・ホリデイの人生には、ドラッグ、アルコール、暴力を振るう夫たちなど悲劇がつきまとうが、本書はそんな彼女に異なる光をあてている。連邦麻薬局を率いたハリー・J・アンスリンガーが、黒人へのリンチに抗議する「奇妙な果実」を歌わないようホリデイを脅かし、彼女のドラッグの問題を利用して追いつめた。ホリデイは公民権運動の先導者のひとりでもあった。

 ビリー・ホリデイを、ブラック・ライヴズ・マター運動のデモでも歌われた「ライズ・アップ」でグラミー賞にノミネートされた歌手のアンドラ・デイ、ハリー・J・アンスリンガーを『オン・ザ・ロード』ギャレット・ヘドランド、次第にホリデイに惹かれていく黒人の捜査官ジミー・フレッチャーを『ムーンライト』トレヴァンテ・ローズが演じる。(プレス参照)

[Story] 1947年、ニューヨークのクラブ”カフェ・ソサエティ”でパフォーマンスを繰り広げていたビリー・ホリデイは、夫やマネージャーから「奇妙な果実」を歌うなと言い渡される。彼らに圧力をかけたのは、連邦麻薬局長のハリー・J・アンスリンガーだった。人種差別の撤廃を求める公民権運動を煽るといわれている「奇妙な果実」を危険視した彼は、ホリデイを麻薬使用の罪で追い込もうと画策し、黒人の捜査官ジミー・フレッチャーにおとり捜査を命じ、ファンを装って彼女に接近させる。フレッチャーは彼女を現行犯逮捕するが、次第に彼女に惹かれていく。やがて出所したホリデイは、連邦麻薬局によってニューヨークでの労働許可証を取り上げられてしまい、全米ツアーへと旅立つが――。

 本作の劇場用パンフレットに、リー・ダニエルズ監督寄りの作品評を寄稿しています。劇場で本作をご覧になりましたら、ぜひパンフもお読みください。


◆スタッフ◆
 
監督/製作   リー・ダニエルズ
Lee Daniels
脚本 スーザン=ロリ・パークス
Suzan-Lori Parks
原作 ヨハン・ハリ
Johann Hari
撮影監督 アンドリュー・ダン
Andrew Dunn
編集 ジェイ・ラビノウィッツ
Jay Rabinowitz
音楽 クリス・バワーズ
Kris Bowers
 
◆キャスト◆
 
ビリー・ホリデイ   アンドラ・デイ
Andra Day
ジミー・フレッチャー トレヴァンテ・ローズ
Trevante Rhodes
ハリー・J・アンスリンガー ギャレット・ヘドランド
Garrett Hedlund
ミス・フレディ ミス・ローレンス・ワシントン
Miss Lawrence
タルーラ・バンクヘッド ナターシャ・リオン
Natasha Lyonne
ルイス・マッケイ ロブ・モーガン
Rob Morgan
ロズリン ダヴィアン・ジョイ・ランドルフ
Da'Vine Joy Randolph
ジョン・レヴィ トーン・ベル
Tone Bell
-
(配給:ギャガ GAGA)
 

 

 

(upload:2021/12/28)
 
 
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