日系アメリカ人キャリー・ジョージ・フクナガ監督の長編デビュー作『闇の列車、光の旅』では、中南米で勢力を広げるギャングと危険を覚悟でアメリカを目指す移民の世界がリアルに描き出される。筆者はこの映画を観ながら、4月に公開されたジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督の『ジョニー・マッド・ドック』のことを思い出していた。2本の映画は共通するテーマを扱っている。
リベリアを舞台にした『ジョニー・マッド・ドッグ』では、少年兵の部隊を率いる15歳のジョニーと家族を守ろうとする13歳の少女ラオコレの視点から内戦の混乱が描き出される。ジョニーは暴虐の限りを尽くして前進していくが、ラオコレと遭遇した瞬間にその攻撃性が治まる。
少年兵は、物心がつく前に殺人等の儀式で集団に引きずり込まれ、ホモソーシャルな連帯関係に呪縛され、暴力に駆り立てられる。少女と遭遇したジョニーは一瞬だけ人間性を取り戻し、彼女を見逃す。
『闇の列車、光の旅』の物語もそんなホモソーシャルな連帯関係が鍵を握る。ギャングのメンバー、カスペルは、12歳のスマイリーを仲間に引き込み、少年は殺人の儀式によって一線を越える。かつて同じ経験をしたカスペル自身は恋に目覚め、忠誠が揺らぎつつあったが、その恋人は支部のリーダーに殺されてしまう。
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◆スタッフ◆ |
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監督/脚本 |
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キャリー・ジョージ・フクナガ
Cary Joji Fukunaga |
撮影 |
アドリアーノ・ゴールドマン
Adriano Goldman |
編集 |
ルイス・カルバリャール、クレイグ・マッケイ
Luis Carballar, Craig McKay |
音楽 |
マーセロ・ザーヴォス
Marcelo Zarvos |
プロデューサー |
エイミー・カウフマン
Amy Kaufman |
製作総指揮 |
ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、パブロ・クルス
Gael Garcia Bernal, Diego Luna, Pablo Cruz |
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◆キャスト◆ |
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サイラ |
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パウリーナ・カイタン
Paulina Caitan |
ガスペル/ウィリー |
エドガー・フロレス
Edgar Flores |
スマイリー |
クリスティアン・フェレール
Kristyan Ferrer |
リマルゴ |
テノック・ウエルタ・メヒア
Tenoch Huerta Mejia |
マルタ |
ディアナ・ガルシア
Diana Garcia |
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(配給:日活) |
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