シング・ア・ソング! 〜笑顔を咲かす歌声〜
Military Wives


2019年/イギリス/英語/カラー/112分/スコープサイズ/5.1ch
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(初出:)

 

 

愛する人を戦地に送り出した軍人の妻たちが合唱団を結成
『フル・モンティ』の監督が手がけた実話から生まれた物語

 

[Introduction] 2009年、愛する人を戦況が激化するアフガニスタンへ見送り、その帰りを待ちながらイギリス軍基地で暮らす女性たちが、合唱団を結成した。悪い知らせが届かないことを祈ることしかできない毎日の中、互いに支え合い前向きに生きるために始めたこの活動はメディアにも取り上げられ、やがて全英中、そして世界各地へと広がるムーブメントとなった——。
BBCの人気テレビ番組「The Choir」でも特集された“軍人の妻”合唱団の実話を、『フル・モンティ』(97)、『ラッキー・ブレイク』(01)のピーター・カッタネオ監督が映画化。合唱団結成を主導した二人の妻たちを、米アカデミー賞ノミネート&英国アカデミー賞(BAFTA)受賞のクリスティン・スコット・トーマスと、BAFTAノミネート経験者のシャロン・ホーガンが熱演し、観るものをハッピーにする感動のハートフル・ストーリーが誕生した!(プレス参照)

[Story] 愛する人を戦地に送り出し、最悪の知らせが届くことを恐れながらイギリス軍基地に暮らす軍人の妻たち。大佐の妻ケイトは、そんな女性たちを元気づけ、共に苦難を乗り越えるための努力を惜しまないが、その熱意は空回りするばかり。そんな中、何気なく始めた“合唱”に、多くの女性達が笑顔を見せ始める。女性達のまとめ役リサも、かつて慣れ親しんだキーボード・ピアノをガレージから引っ張り出し、積極的に関わり始める。

 しかし、ケイトとリサは方針の違いで衝突を繰り返し、集ったメンバーたちも、美しい声を持っているのに人前で歌えなかったり、合唱を楽しむあまり音程を無視して歌ったりと、心も歌声もてんでバラバラ。担当将校も耳を覆う有り様だったが、心情を吐露するように共に歌い続けるうちに、同じ気持ちを持つ仲間として互いを認めていく。心が一つになっていくにつれ、次第に美しい歌声を響かせるようになった合唱団のもとに、ある日、毎年大規模に行われる戦没者追悼イベントのステージへの招待状が届く。思いがけない大舞台に浮足立つ妻たちだったが、そんな彼女たちの元に舞い込んだのは、恐れていた最悪の知らせだった――。

[以下、とりあえずの短いコメントになります]

 冒頭で、主人公のケイトが運転する車のラジオから、以下のようなニュースが流れ、主人公たちを取り巻く状況が見えてくる。

「アフガンへの増兵が進行中。2001年以来最大の合同攻撃です。すでにフォークランドやイラクを超える兵が死亡。英陸軍の大勢が負傷し、帰国待ち。死亡者数は...」


◆スタッフ◆
 
監督   ピーター・カッタネオ
Peter Cattaneo
脚本 ロザンヌ・フリン&レイチェル・タナード
Rosanne Flynn, Rachel Tunnard
撮影監督 ヒューバート・タクザノウスキー
Hubert Taczanowski
編集 レスリー・ウォーカー、アン・ソペル
Lesley Walker, Anne Sopel
音楽 ローン・バルフェ
Lorne Balfe
 
◆キャスト◆
 
ケイト   クリスティン・スコット・トーマス
Kristin Scott Thomas
リサ シャロン・ホーガン
Sharon Horgan
リチャード(ケイトの夫) グレッグ・ワイズ
Greg Wise
クルックス大尉 ジェイソン・フレミング
Jason Flemyng
アニー エマ・ラウンズ
Emma Lowndes
ジェス ギャビー・フレンチ
Gaby French
サラ エイミー・ジェームズ=ケリー
Amy James-Kelly
-
(配給:キノフィルムズ)
 

 兵士の妻たちをまとめるのは、夫が特務曹長に昇進したリサの役目だが、彼女は思春期の娘アニーに振り回されていて、やる気が起きない。一方、ケイトは大佐の妻で、まとめ役は本来なら彼女の仕事ではないが、ひとり息子を戦地で亡くした悲しみが癒えない彼女は、喪失感を紛らすために積極的に関わろうとする。

 ケイトが率先して妻たちに働きかけたことで、リサも音楽をやっていた頃の気持ちを取り戻し、合唱団がかたちをとりはじめる。ケイトの積極性がなければ合唱団は生まれなかったし、彼女は悩みや不安を抱える他の妻たちに共感できるが、彼女自身は過去を引きずっている状態をどうすることもできない。だから買い物依存症になっているように見える。そんな彼女が、合唱、あるいは妻たちとの関係を通してどう壁を乗り越えるのかが見どころになる。

 

(upload:2022/04/23)
 
 
《関連リンク》
ピーター・カッタネオ 『フル・モンティ』 レビュー ■
ピーター・カッタネオ 『ラッキー・ブレイク』 レビュー ■
マーク・ハーマン 『ブラス!』 レビュー ■
サッチャリズムとイギリス映画――社会の急激な変化と映画の強度の関係 ■

 
 
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