[ストーリー] シカゴからカリフォルニア州郊外に移り住んだ若い夫婦サイモンとロビンは、人もうらやむ幸せな人生を築いていた。その新天地はサイモンの故郷でもあり、偶然にも彼は買い物中に高校時代の同級生ゴードに声をかけられる。
サイモンはゴードのことをすっかり忘れていたが、旧友との25年ぶりの再会を喜んだゴードは次々と贈り物を届けてきて、次第に夫婦を困惑させていった。とりわけサイモンは露骨にゴードを煙たがり、ついには強い口調で「もう自宅に来るな」と彼に言い放つ。
やがて夫婦の周囲で奇怪な出来事が続発するなか、ゴードから謝罪の手紙が届くが、そこにはサイモンとの過去の因縁をほのめかす一文があった。はたして25年前、ふたりの間に何があったのか。頑なに口を閉ざす夫への疑念を募らせ、自らその秘密を解き明かそうとしたロビンは、衝撃的な真実を突き止めていくのだった――。[プレスより]
▼ インタビュアーはパク・チャヌクの『オールド・ボーイ』を連想したようですが、確かに共通点があります。
『華麗なるギャツビー』(13)や『ブラック・スキャンダル』(15)に出演していたジョエル・エドガートンの監督デビュー作『ザ・ギフト』は、人物に対する鋭い洞察と緻密で抑制された演出が際立つスリラーだ。
この映画は『激突!』、『ジョーズ』、『未知との遭遇』などスピルバーグの初期の作品を連想させる。それらの作品では、タンクローリーやサメ、UFOといった外部からの脅威(あるいは驚異)と主人公たちの内面に潜む不安や不満、願望などが深く結びついていく。
この映画でも、ゴードという外部からの脅威と夫婦が内面に抱える不安が結びついていく。夫婦は辛い過去を忘れ、再出発するために新天地にやって来たが、まだ過去を引きずるロビンは、外部からの脅威が引き金になって再び不安定になっていく。 |