[Introduction] かつて探偵事務所で働いていたこともある監督のマイテ・アルベルディは、老人ホームの内部で調査 をしている探偵が実際に存在することを知った。主人公は、新聞広告に出ていた80歳以上のスパイを募集する求人に応募した83歳の男性セルヒオ。本作は、彼の驚くべき活躍を捉えたドキュメンタリー。アルベルディ監督は、撮影の舞台となった南米チリにある聖フランシスコ特養ホームと交渉し、入居者にできるだけ気づかれないよう施設内でカメラを回すことに成功。俳優は一人も登場しないが、入居者たちは実に個性的で悲喜こもごもの豊かな表情を見せてくれる(プレス参照)
[Story] 本作で驚くべき活躍を見せる主人公は、83歳のごく普通の男性セルヒオ。とある老人ホームの入居者が虐待されているのではないかという疑惑があり、そのターゲットの様子を密かに克明に報告する、というのが彼に与えられたミッションだ。携帯電話の扱いひとつ不慣れなセルヒオが、眼鏡型の隠しカメラを駆使し、暗号を使って老人ホームでの潜入捜査を繰り広げる様子に観客はハラハラしっぱなし。妻を亡くした悲しみの中にある彼は、傷ついている人を放っておけない心優しい性格で、調査を行うかたわら、いつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となってしまう…。セルヒオは無事にミッションをやり遂げることが出来るのか!? そして彼が導き出したある真実とは?
ニューズウィーク日本版の筆者コラム「映画の境界線」で本作を取り上げています。その記事をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。
● 老人ホームに潜入調査、人生模様浮かび上がるドキュメンタリー|『83歳のやさしいスパイ』 |