パワー・オブ・ザ・ドッグ
The Power of the Dog


2021年/ニュージーランド=カナダ=イギリス=オーストラリア=アメリカ/英語/カラー/126分
line
(初出:)

 

 

ホモフォビア、ホモソーシャル、ホモセクシャル
カウボーイ文化のなかでせめぎ合う欲望と狂気

 

[Introduction] ニュージーランド出身の女性監督ジェーン・カンピオンにとって、『ブライト・スター 〜いちばん美しい恋の詩(うた)〜』(09)以来となる長編映画。原作は、米ユタ州出身の作家トーマス・サヴェージが1967年に発表した小説『パワー・オブ・ザ・ドッグ (角川文庫)』。

[Story] 舞台は1925年。モンタナ州の裕福な牧場主であるバーバンク兄弟は、市場に向かう途中で立ち寄ったレストラン”レッド・ミル”で、未亡人の女主人ローズと繊細な彼女の息子ピーターと出会う。フィルは露骨な嫌がらせで彼らを泣かせ、傷つくふたりを見て有頂天になり仲間のカウボーイたちを笑わせる。しかし、フィルの弟のジョージだけはその様子を笑わずに見ていた。彼はローズを慰め、彼女に結婚を申し込むために再びレストランを訪れる。
 凶暴でずる賢いフィルは、ローズが弾けなくなった曲を口笛で吹きながら彼女にまとわりつくなど、不可解な行動で執拗に嫌がらせを繰り返す。また、彼女の息子ピーターをこき下ろし、その態度は仲間のカウボーイたちに挑発されますます悪質になっていく。しかしほどなくして、フィルはピーターの面倒を見るようになる。それはフィルが改心していく兆候なのか、あるいはさらなる残酷な仕打ちが待ち受けているのか...。(プレス参照)

[以下、本作の短いレビューになります]

 


◆スタッフ◆
 
監督/脚本/製作   ジェーン・カンピオン
Jane Campion
原作 トーマス・サヴェージ
Thomas Savage
撮影監督 アリ・ワグナー
Ari Wegner
編集 ピーター・シベラス
Peter Sciberras
オリジナル音楽 ジョニー・グリーンウッド
Jonny Greenwood
 
◆キャスト◆
 
フィル・バーバンク   ベネディクト・カンバーバッチ
Benedict Cumberbatch
ローズ・ゴードン キルステン・ダンスト
Kirsten Dunst
ジョージ・バーバンク ジェシー・プレモンス
Jesse Plemons
ピーター・ゴードン コディ・スミット=マクフィー
Kodi Smit-McPhee
ローラ トーマシン・マッケンジー
Thomasin McKenzie
州知事 キース・キャラダイン
Keith Carradine
-
(配給:Netflix)
 

 観察で培った知見を武器にもし、本作の冒頭に流れる彼のモノローグにある決意を実行に移す。

 

(upload:2021/11/22)
 
 
《関連リンク》
ホモソーシャル、ホモセクシュアル、ホモフォビア
――『リバティーン』と『ブロークバック・マウンテン』をめぐって
■
ゲイ・フィクションの変遷――アメリカン・ファミリーとの関係をめぐって ■
ゲイ・フィクションの枠を超えて広がる物語と世界
――『Toby’s Lie』、『Mysterious Skin』、『In Awe』をめぐって
■
ゲイをめぐるダブル・スタンダード
――歪んだ社会を浮き彫りにする小説とノンフィクションを読む
■

 
 
amazon.comへ●
 
ご意見はこちらへ master@crisscross.jp