Beirutの音楽は、固有の音楽が生み出される場所に対する想像力から生み出される。2枚目の『The Flying Club Cup』(2007)のインスピレーションの源になっているのは、古いフランス映画のなかにあるパリという場所であり、その場所と結びついたシャンソンだ。
まったく異なるふたつの音源をカップリングしたダブルEP『March of the Zapotec and Realpeople Holland』(2009)にも、彼の音楽性が表われている。
『March of the Zapotec』のきっかけは、メキシコ人移民を題材にした映画のサウンドトラックを依頼されたことだった。彼はサントラのヒントを得るため、監督からOaxacaの伝統的な音楽を収めたヴィデオを提供された。結局、映画の企画は立ち消えになったが、彼はその音楽に魅了され、存在しない映画のサントラといえるような音楽を作り上げた。
■ Gulag Orkestar (2006)
■ The Flying Club Cup (2007)
■ March of the Zapotec and Realpeople Holland (2009)