JUNO/ジュノ
JUNO


2007年/アメリカ/カラー/96分/ヴィスタ/ドルビーデジタル
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(初出:47NEWS「花まるシネマ」2008年)

 

 

10代の妊娠を契機に自己と他者を見つめなおす

 

 大作でもなく、スタッフやキャストに大物が起用されているわけでもないのに、第80回アカデミー賞で主要4部門にノミネートされ、話題をさらった作品。それが、10代の妊娠を題材にしたジェイソン・ライトマン監督の『JUNO/ジュノ』だ。

 なかでも特に注目なのが、ストリッパーの経歴を持ち、映画の脚本にクレジットされているディアブロ・コーディだろう。脚本を書くきっかけは、彼女のブログのファンだったプロデューサーのメイソン・ノヴィックが彼女にコンタクトをとったことだった。そのノヴィックのサポートを受けて書き上げた脚本は、結局、アカデミー賞の脚本賞に輝いた。

 映画の舞台はミネソタ。流行には無関心、パンクロックとB級ホラー映画が好きな16歳の高校生ジュノは、興味本位でした初めてのセックスで妊娠してしまう。悩める彼女は、一度は中絶を決意するが、病院を前にして気持ちが揺らぎ、里親を希望するリッチな夫婦を探しはじめる。

 変わってはいるが自立心に富むジュノ。クールに見えて、いざというときに頼りになる親友リア。娘がドラッグで問題を起こすよりもと、前向きな姿勢を示す両親。養子縁組をきっかけにお互いの関係を見つめ直していく里親。

 個性豊かで等身大の魅力を放つ登場人物たちが、重くなりがちな題材を、新鮮で小気味よいドラマに変えていく。決してポップなだけではなく、彼らが、責任も含めて個人をしっかりと尊重しているところに、この映画の魅力がある。


◆スタッフ◆
 
監督   ジェイソン・ライトマン
Jason Reitman
脚本 ディアブロ・コーディ
Diablo Cody
撮影 エリック・スティールバーグ
Eric Steelberg
編集 デイナ・E・グローバーマン
Dana E. Glauberman
音楽 マテオ・メッシーナ
Mateo Messina
 
◆キャスト◆
 
ジュノ   エレン・ペイジ
Ellen Page
ポーリー マイケル・セラ
Michael Cera
ヴァネッサ ジェニファー・ガーナー
Jennifer Garner
マーク ジェイソン・ベイトマン
Jason Bateman
リア オリヴィア・サールビー
Olivia Thirlby
マック(ジュノの父) J・K・シモンズ
J.K. Simmons
ブレン(ジュノの義理の母) アリソン・ジャネイ
Allison Janney
-
(配給:20世紀フォックス)
 

 


(upload:2014/04/19)
 
 
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