僕たちの家に帰ろう
家在水草豊茂的地方 / River Road River Road (2014) on IMDb


2014年/中国/テュルク語・北京語/カラー/103分/ヴィスタ/デジタル
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(初出:)

 

 

失われたユグル族の歴史と生態移民の背景

 

[ストーリー] 両親が放牧する土地を求め、より奥地の草原に移住しているため、兄のバーテルは祖父のもとで暮らし、弟アディカーは学校の寮に住んでいる。兄は弟が母親の愛情を独り占めしていると思い込み、弟は兄ばかりが目をかけられていると感じ、互いに嫉妬し合っている。

 夏休みが来ても父が迎えに来なかったことから、アディカーは拗ねる兄バーテルを説得して父母を探すため、2人きりの旅に出る。広大な砂漠をラクダにまたがり、干上がってしまった河の跡を道しるべに、ひたすら荒野をたどって行く――。

 痩せて枯れてしまった大地、見捨てられた廃墟、そして崩壊した遺跡、回廊の変わりゆく風景は、光り輝いた土地が工業化のために消滅し、伝統が新しい社会へと変貌していく様子をまざまざと見せつける。

 そして、いつしか2人の旅は、彼ら《ユグル族》としてのアイデンティティーの探求へと変わっていく――。[プレスより]

 『夏至/The Summer Solstice』(06)、『老驢馬/The Old Donkey』(09)、『白鶴に乗って』(12)のリー・ルイジュン監督の新作です。

 レビューのテキストは準備中です。簡単に感想を。舞台は中国北西部“河西回廊”、兄弟の旅を通して、失われたユグル族の歴史に光をあてるとともに、生態移民の背景、砂漠化の現実を映し出す作品にもなっています。そういう意味では、生態移民と関わりを持つワン・チュアンアン監督の『トゥヤーの結婚』(06)と比較してみも興味深いです。さらに、池谷薫監督がチベットの焼身抗議に迫ったドキュメンタリー『ルンタ』(15)でも、生態移民の問題が取り上げられていて、やはり接点を感じます。

 「ニューズウィーク日本版」の筆者コラム「映画の境界線」で本作を取り上げています。お読みになりたい方は以下リンクからどうぞ。

井戸は干上がり、草原は枯れる中国西部。砂漠化とともに失われる価値観


◆スタッフ◆
 
監督/脚本/編集/美術   リー・ルイジュン
Li Ruijun
撮影監督 リウ・ヨンホン
Liu Yonghong
音楽 ペイマン・ヤズダニアン
Peyman Yazdanian
 
◆キャスト◆
 
アディカー   タン・ロン
Tang Long
バーテル グオ・ソンタオ
Guo Songtao
おじいちゃん バイ・ウェンシン
Bai Wenxin
お父さん グオ・ジェンミン
Guo Jianmin
高齢のラマ僧 マ・シンチュン
Ma Xingchun
-
(配給:マジックアワー)
 

 

(upload:2015//)
 
 
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