◇◇小林政広◇◇

 

1954 年1月6日東京都生まれ。70年代初め、林ヒロシの名でフォーク歌手として活動。1981年に映画監督を志し渡仏するもヨーロッパ放浪へ。帰国後、一念発起してシナリオを書き始める。翌年、『名前のない黄色い猿たち』で第8回城戸賞を受賞し、テレビドラマの脚本家としてデビュー。オリジナルを中心に約500本ものドラマを手掛ける。1996 年、長年の夢であった映画製作に取りかかり、初監督作品『CLOSING TIME』を完成させる。妻子を失い酒に溺れた男が夜の街を彷徨う幻想的なデビュー作は、ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭で日本人初のグランプリを受賞。その後、精力的に作り続けている映画のほとんどが彼のオリジナル脚本による作品で、プロデュースをも務めている。死んだ女の元愛人と元夫の奇妙な旅を描いたロードムービー『海賊版=BOOTLEG FILM』('99)、ひょんなことから殺し屋を引き受けた中年男の顛末を描く『殺し』('00)、酒屋を営む初老の父親と息子たちとの不器用な関係を描いたホームドラマ『歩く、人』('01)は、独自の映像表現が評価され、カンヌ国際映画祭に日本映画で初めて3年連続出品する快挙を遂げる。さらに、イラクで起こった日本人人質事件をヒントに製作された問題作『バッシング』('05)で4度目のカンヌ国際映画祭へ出品を果たす。北村一輝と荻野目慶子を主演に迎えた官能作『女理髪師の恋』('03)、娘を殺害された男と加害者の母親という複雑な関係のふたりに芽生えた愛の予感を描く『愛の予感』('07)、食事さえ摂れない貧困生活を孤独に生きる少年の慟哭を生々しく描いた『ワカラナイ』('09)は、ロカルノ国際映画祭コンペティション部門へ出品され、『愛の予感』は第60 回ロカルノ映画祭最高賞の金豹賞、ダニエル・シュミット賞ほか4 賞同時受賞。2008 年にはロッテルダム国際映画祭、ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭で彼の特集上映が行なわれるなど特に海外での評価が高い。仲代達矢を主演に迎え老人と孫娘が生きる場所を求めて旅をする『春との旅』('10)では、毎日映画コンクール日本映画優秀賞をはじめ作品賞、観客賞、最優秀監督賞ほか国内外で数多くの賞を獲得した。

(『日本の悲劇』プレスより引用)


▼仲代達矢、北村一輝、大森暁美、寺島しのぶ共演の『日本の悲劇』(12)は、2013年8月31日よりユーロスペース、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。

 

日本の悲劇 (2012)
日本の悲劇 (2012) ※監督インタビュー
バッシング (2005)

 
 
 
 
 
 
 
 

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