[ストーリー] 世界的な人気を誇るロックスターのマリアンは、お忍びで南イタリアの孤島、シチリアのパンテッレリーア島へヴァカンスにやって来る。声帯の手術を受けたばかりでほとんど声が出ない彼女は、恋人で無名の撮影監督のポールと二人だけで静かに過ごそうとしていた。
ところが、マリアンの元彼でカリスマ音楽プロデューサーのハリーが強引に押しかけて来る。去年初めてその存在を知ったというセクシーな娘ペンを連れて、歌って踊って、食べて飲んで、1秒たりとも黙らないエネルギーの塊のようなハリーに、マリアンのセレブな休暇はかき乱されていく。
実はハリーは、マリアンとの復縁を狙っていた。若さを持て余したペンはポールへの好奇心を募らせていくが、一方で父親の筈のハリーとも妖しげな雰囲気を漂わせる。マリアンの嫉妬と困惑と迷いが最高潮に達した時、思いもよらぬ事件が起きる――。[プレスより]
『胸騒ぎのシチリア』は、『ミラノ、愛に生きる』(09)で世界の注目を集めたイタリアの異才ルカ・グァダニーノ監督の新作です。2016年11月19日(土)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショーになります。
[以下、本作のレビューになります]
『ミラノ、愛に生きる』で世界的に評価されたイタリアの異才ルカ・グァダニーノの新作『胸騒ぎのシチリア』は、1969年の映画『太陽が知っている』のリメイクだが、オリジナルに縛られることなく、独自の世界に作り変えられている。
声帯の手術を受けたばかりのロックスター、マリアンは、恋人で無名の撮影監督のポールとともに南イタリアの孤島でふたりだけのヴァカンスを過ごしている。ところがそこに突然、マリアンの昔の恋人で音楽プロデューサーのハリーと彼の娘ペンが押しかけてくる。そのハリーはマリアンとの復縁を目論み、ペンはポールへの好奇心を募らせ、4人の男女の感情が複雑に絡み合うなかで事件が起こる。 |