ブータン 山の教室
Lunana: A Yak in the Classroom


2019年/ブータン/ゾンカ語・英語/カラー/110分/スコープサイズ
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(初出:『ブータン 山の教室』劇場用パンフレット)

 

 

光を感じるために、影を知る。

 

[Introduction] 標高4,800メートルの地にあるブータン北部の村ルナナ。ブータン民謡が響きわたるこの村で暮らすのは、大自然とともにある日常に幸せを見つけ生きる大人たち。そして親の仕事の手伝いをしながらも、“学ぶこと”に純粋な好奇心を向ける子どもたちだ。人口わずか56人のルナナには、電気も携帯電話もない。『ブータン 山の教室』に登場するのは、実際にルナナで暮らす人々だ。ブータンの新鋭、パオ・チョニン・ドルジ監督は、人々の笑顔あふれる暮らしを圧倒的な映像美で映し出した。グローバル化が進み、世界の景色が単一化するいま、この作品は私たちに“本当の豊さとは何か”を教えてくれる。(プレス参照)

[Story] 現代のブータン。教師のウゲンは、歌手になりオーストラリアに行くことを密かに夢見ている。だがある日、上司から呼び出され、標高4,800メートルの地に位置するルナナの学校に赴任するよう告げられる。一週間以上かけ、険しい山道を登り村に到着したウゲンは、電気も通っていない村で、現代的な暮らしから完全に切り離されたことを痛感する。学校には、黒板もなければノートもない。そんな状況でも、村の人々は新しい先生となる彼を温かく迎えてくれた。ある子どもは、「先生は未来に触れることができるから、将来は先生になることが夢」と口にする。すぐにでもルナナを離れ、街の空気に触れたいと考えていたウゲンだったが、キラキラと輝く子どもたちの瞳、そして荘厳な自然とともにたくましく生きる姿を見て、少しずつ自分のなかの“変化”を感じるようになる。

 2021年12月3日に本作のBlu-ray&DVDが発売になりましたので、劇場用パンフレットに寄稿した映画評を「Into the Wild 2.0|大場正明のブログ」の方にアップいたしました。その映画評をお読みになりたい方は以下のリンクからどうぞ。

光を感じるために、影を知る。|『ブータン 山の教室』


◆スタッフ◆
 
監督/脚本/プロデューサー   パオ・チョニン・ドルジ
Pawo Choyning Dorji
撮影 ジグメ・テンジン
Jigme Tenzing
編集 クー・シャオユン
Hsiao-Yun Ku
音響 トゥー・ドゥートゥ
Duu-Chih Tu
 
◆キャスト◆
 
ウゲン・ドルジ   シュラップ・ドルジ
Sherab Dorji
ミチュン ウゲン・ノルブ・ヘンドゥップ
Ugyen Norbu Lhendup
セデュ ケルドン・ハモ・グルン
Kelden Lhamo Gurung
ペム・ザム ペム・ザム
Pem Zam
村長アジャ クンザン・ワンディ
Kunzang Wangdi
-
(配給:ドマ)
 

 

 

(upload:2021/12/20)
 
 
《関連リンク》
アルム・バッタライ&ドロッチャ・ズルボー
『ゲンボとタシの夢見るブータン』 レビュー
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