[Introduction] 20年にわたってアウトドアのドキュメンタリー映画を共同で監督してきたピーター・モーティマーとニック・ローゼン。本作の制作の発端は、モーティマーが耳を疑う噂を聞いたことだった。アルピニストたちの間では知られている聳え立つ氷壁にひとりで挑んで、次々と記録的な登頂を成功させている若者がいるらしい。彼の名前はマーク・アンドレ・ルクレール。カナダ生まれの23歳の青年だ。偉業を成し遂げながらもその名が知られていないのは、彼がSNSを一切やらないからだった。マークは自分を売り込むことには興味がなく、パソコンも携帯も持っていない。ただ純粋に、自分の楽しみのためだけにクライミングするミニマリストであり、生まれついてのアルピニストだった。モーティマーはカナダに赴いてマークを見つけ出し、そのカリスマ的な人柄に惹かれて彼のドキュメンタリーを撮ることにする。そして、完成したのが無名の天才クライマーの姿を記録した『アルピニスト』だ。(プレス参照)
[Story] マーク・アンドレ・ルクレールは命綱のロープを使わず、身体ひとつでクライミングする。その卓越した技術は独学で学んだものだった。マークは子供の頃、ADHD(注意欠陥障害)と診断され、母親は将来、息子が仕事につくのは難しいかもしれない、と不安を抱いた。しかし、少年はクライミングに興味を持ち、ひとりで山にクライミングし、みるみる間に才能を開花させる。彼は近年のアルピニストのように登頂に成功したことをSNSで誇らしげに発表したりはしない。携帯すら持っていないのだ。そして、自分の楽しみのためだけに登頂が難しい山に登り続けた。そんな彼を支えるのは、同じように優れたアルピニストでもある恋人のブレット・ハリントン。ふたりは一緒に世界を旅してクライミングを楽しんでいた。
モーティマーはマークの映画を撮ることを決意。クライミングに同行して、至近距離からマークのクライミングを撮影した。それは驚くべき光景で、断崖絶壁を命綱を使わず素手で登っていく見事な動き。そして、クライミングに対する情熱を目の当たりにしたピーターは、撮影が進むなかでマークが何か大きな野心を抱いているのではないか、と思うようになった。そんなある日、マークは突然姿をくらましてしまう。
本作の劇場用パンフレットに寄稿するための映画評を執筆中です。詳しいことはまたお知らせしたいと思います。『クライマー パタゴニアの彼方へ』のデビッド・ラマ、『The Dawn Wall/ドーンウォール』のトミー・コールドウェル、『フリーソロ』のアレックス・オノルドなどにも触れています。 |
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◆スタッフ◆ |
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監督/製作総指揮 |
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ピーター・モーティマー、ニック・ローゼン
Peter Mortimer, Nick Rosen |
撮影 |
ジョナサン・グリフィス、ブレット・ローウェル、
Jonathan Griffith, Brett Lowell |
編集 |
ジョシュ・ローウェル、ジョシュア・スティール・マイナー、フェルナンド・ヴィレナ
Josh Lowell, Joshua Steele Minor, Fernando Villena |
音楽 |
ジョン・クーパー
Jon Cooper |
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◆キャスト◆ |
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マーク・アンドレ・ルクレール
Marc-Andre Leclerc |
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ブレット・ハリントン
Brette Harrington |
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アレックス・オノルド
Alex Honnold
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ラインホルト・メスナー
Reinhold Messner
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バリー・ブランチャード
Barry Blanchard
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ミッシェル・カイパーズ
Michelle Kuipers |
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(配給:パルコ) |
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