スサンネ・ビア監督の劇映画『ある愛の風景』には、デンマーク軍のアフガニスタン派遣という事実が反映されていた。
同じデンマーク出身のヤヌス・メッツ監督の『アルマジロ』は、国際平和活動(PSO)の名の下にアフガン戦争の最前線アルマジロ基地に派遣された若い兵士たちに7ヶ月に渡って密着したドキュメンタリーだ。
この映画では銃撃戦が凄まじい臨場感で映し出されるが、単に戦争のリアルを追求しているわけではない。メッツ監督のコメントは興味深い。「リサーチの早い段階で若い兵士たちと会った時、彼らが既に実戦を経ており、そのうえで戦地へ戻りたがっているのを知って驚いた」。そこで「兵士たちと同じ目線で映画を撮りたくなった」というのだ。
この映画が撮影されたのは2009年のことで、その後、被写体となった兵士は実際に戦場に戻っている。撮影には4台のカメラが使用され、二人の兵士のヘルメットに搭載されたカメラが彼らの目線となり、カメラマンと監督のカメラが、兵士たちの興奮状態や変化をとらえる。
そんな映像は、兵士たちが戦争中毒に陥っていく過程を浮き彫りにするが、その原因はおそらく戦場だけではないだろう。 |